52.電力会社社員横領事件
「ガイシャは、山村冴子。東〇電力の系列の東京カスタマーエンパシーの女性社員だ。炬燵の電気コードを使って首を絞められている。井関さん、ガイシャの家に炬燵は?」
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。
井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。
辻瑛人・・・捜査一課辻班班長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。
村松みちる・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
神道助六・・・捜査二課課長。警部補。蘭子と同期。
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午後1時。捜査一課横の大会議室。『電力会社社員殺人事件』本部。
昼食の後、捜査会議が始まった。
そして、志摩管理官が説明を始めた。
「ガイシャは、山村冴子。東〇電力の系列の東京カスタマーエンパシーの女性社員だ。炬燵の電気コードを使って首を絞められている。井関さん、ガイシャの家に炬燵は?」
「無かった、ガイシャは、石油ファンヒーター派だったらしい。2つ並べて利用していた。エアコンは故障したままだった。」
「発見者の、妹の三枝花子によると、海外製で、故障したら買い変えるしかなかったらしい。そこで、急遽、石油ファンヒーター。2間続きだが、2器あれば、暖は取れる。それと、遺書らしきモノがあったが、明らかに偽装だ。絞殺で自殺はおかしい。」管理官は毒づいた。
「まあ、怨恨だろう。辻さん、会社関係、徹底的に調べて下さい。マンションだから、ご近所話は期待出来ないかも知れないから、後回し。大曲、何が言いたい?」
「現場写真しか見ていないけど、結構高額な指輪してますね。怨恨の線に結びつくかも。」
「自分ではビビって指輪1つ買わないのに、詳しいな、元カレ。」
大曲先輩は、天井を見上げた。
救いの神は、何と村松だった。
「1000万は、堅いわね。電気の会社の人、給料いいのかな?」
「村松、良い子だ。」
蘭子は、村松の頭を撫でた。
村松は、嬉しそうだ。
午後2時半。山村家。
例によって、デジタル関係は、大曲先輩の得意分野なので、張り切っている。
PCを起動した後、先輩は、押し入れを開けた。
「ん?」
大曲先輩は、押し入れの寝具の中から、巧みに隠されていたタブレットを見付けた。
「こっちが先だな。」
タブレットはプロテクトがかかっていない。PCもだった。
「二重帳簿か。本部に送ろう。えーっと。」
大曲先輩は、隠されていたWi-Fiアダプタを繋ぎ、本部にファイルを送った。
俺が蘭子に電話していると、大曲先輩がスマホを横取りした。
「ファイルのパスワードは、エス、エー、イー、ケイ、オー。冴子だ。」
「簡単だな。了解。調べる。」
午後4時。捜査一課横の大会議室。『電力会社社員殺人事件』本部。
取り調べ室から蘭子が出てきた。
「吐いたよ。顧客リストでなく、クレーマーリストだった。山村は苦情係でもあったが、会計係でもあった。実際の電力料金が、おかしいと気づいたホシの、手塚富雄が海外主張中の留守の電気代金が高いので問い詰めたところ、誤魔化した返答をした。興信所に依頼して、彼女が担当と知った手塚は直接会いに行って。直談判をして、殺害した。凶器の炬燵コードは、ホームセンターで求めていた。山村は派好きで、借金の穴埋めを、顧客の請求額を水増しすることで補っていた。会社は孫請けで、社員はたった5人。幾らでも誤魔化せた。使っていない電力量の料金は、基本料金以外に増えない。本当は、感電死させたかったらしい。手塚以外の被害者は、何も考えていなかった。」
午後7時。眩目家。
お好み焼きを頬張りながら、蘭子は言った。
「社長は、上の会社からの転籍で、暢気な性格だった。お前は、暢気だから、手籠めにした。当分は避妊するからな。覚悟は出来てるな、真吉。」
「はい。」
蘭子は、舌なめずりをした。
恐い。
―完―




