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33.五輪夢中殺人事件

「ガイシャは、綿貫英二。大のオリンピックファンで、最近始まったばかりのミラノ五輪を早朝から深夜まで観ていた。まあ、スポーツファンによくあるタイプだな。寝食忘れてしまうタイプ。

 

 ========== フィクションです ===========

 === 主な登場人物 ===

 眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

 大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

 開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

 志摩敏夫・・・警視庁管理官。

 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

 秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

 井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。


 辻・・・捜査一課辻班班長。

 蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。


 =================================


 午後1時。捜査一課。『居直り強盗事件』本部。

 昼食の後、捜査会議が始まった。

 そして、志摩管理官が説明を始めた。

「ガイシャは、綿貫英二。大のオリンピックファンで、最近始まったばかりのミラノ五輪を早朝から深夜まで観ていた。まあ、スポーツファンによくあるタイプだな。寝食忘れてしまうタイプ。で、買物から帰宅すると、つい玄関を閉め忘れた。被疑者の飯島奈津男は、最初留守かな?と思った。声をかけても返事がないから。出てきたら、適当な言い訳をする積りだった。飯島が発見したとき、綿貫は、テレビに向かったまま、炬燵の中で死んでいた。そこに、隣人太田寛司が回覧持ってやってきた。飛びだそうとした飯島は、咄嗟に綿貫の知り合いの振りをして、死んでいる、と太田に言い、太田が110番をした。蒔君、その時の様子を。」

「どういうお知り合いですか?と尋ねても、答が曖昧なんです。それで、鑑識さんの様子を太田と見ていた飯島を撮影して、本部に送ったんです。」

「そしたら、前科持ちだったか。」と管理官は感心した。

 聞き込みは、観察するのが仕事だ。

「管理官。私は、飯島の供述通り、こそ泥に入っただけだと思います。生きていたら、カネを出せ、っていう『居直り強盗』する気で侵入した。」

 井関が立ち上がって、「所持していたナイフ、100均ですが、リンゴ剝くのがやっとですね。無論、血痕、指紋なし。」と、言った。

「父さん。あれ、錆びてた。リンゴも無理。」「そうか。」

 井関親子の会話を聞いていて、俺は違和感を感じた。

 ホシは、何故退路を断たなかったか?

 うっかり、声に出してしまったらしい。

 蘭子は、「それだよ、真吉。いや、眩目。」と、目を輝かせた。

「開光君、令状、要る?」と、管理官は言った。

 そして、まず、凶器が見つかった。

 凶器の『本物』のナイフは、テレビの中にあった。

「ブラウン管テレビは、隙間だらけだ。」

 そう言って、見付けたのは、大曲先輩だった。


 午後3時。綿貫家。

 綿貫さんは、テレビを2台使っていた。

 正確に言うと、鑑賞用の14型テレビと、そのテレビ台替りの『お座敷テレビ』だ。どちらも液晶ではない。辻さん達が親族から聞き込みした結果によると、地デジ化しても、上のテレビにチューナーを繋いで使用、家を建てた時に運び込まれたお座敷テレビはそのテレビの下に専用台があるので、『物置』として使っていたようだ。

 井関さん達は、その『物置』がある全面は調べたが、壁面はわざわざ調べなかった。

 大曲先輩が『ブラウン管テレビの隙間』とは、台側のテレビだった。

 2人でまるごと移動した。


 テレビ前の炬燵は既に撤去されているので、何とか出来た。

 壁面のボードを外すと凶器が出てきた。

 スマホで撮影して、本部に待機している智子ちゃんに見せた。

「それは・・・ダガーナイフね。今は法律が厳しくなって、持ってれば、不法所持になるわ。」

 大曲先輩は、自身したタオルに凶器を丁寧にくるんだ。


 午後4時。捜査一課。『居直り強盗事件』本部。

 取り調べ室から蘭子が出てきた。

「吐いたよ。ホシはやはり、太田だった。一旦家に帰ったが、偽装する為に戻ったら飯島と鉢合わせ。嘘つき2人が警察に通報。凶器は隠し直す暇が無かった。合鍵を所持していたが、どさくさに紛れて綿貫家に転がした。」


 午後7時半。眩目家。

 ゴボウご飯があった。レンジ式だが、俺の好物の1つだった。

「後で、体中の、埃、取ってやるな。」と、蘭子はニッと笑った。


 埃だらけになったりしなかったが・・・。


 ―完―








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