24.ご不浄殺人事件
ガイシャは、元引っ越し専門運送会社社員、船田吾一。自宅のトイレで殺害されていて、買物から帰った夫人と隣家の夫人が発見した。夫人は、朝早くから年始めバーゲンに行っていた。
========== フィクションです ===========
=== 主な登場人物 ===
眩目真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。
大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。
開光蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。
志摩敏夫・・・警視庁管理官。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。
井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。
辻・・・捜査一課辻班班長。
蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。
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午後1時。捜査一課。『ご不浄殺人事件』本部。
昼食の後、捜査会議が始まった。
志摩管理官が説明を始めた。
「ガイシャは、元引っ越し専門運送会社社員、船田吾一。自宅のトイレで殺害されていて、買物から帰った夫人と隣家の夫人が発見した。夫人は、朝早くから年始めバーゲンに行っていた。日曜ということもあって、帰宅したのが午後2時。隣家の夫人も連れだって行っている。船田夫人が卒倒したので、110番したのは隣家の夫人緑川みのりだ。」
管理官はスクリーンに映し出された現場の写真を皆に見せた。
「ご覧の通り、凄惨な現場だ。井関さん。」
「ガイシャは、用を足していたところを襲われたようです。上半身を給水槽に結束バンドで固定、足を結束バンドで固定、電話の受話器から繋がるモジュラーの口からケーブルが外されていました。夫人によると、ガイシャは膝の病気で会社を辞め、自宅療養していた、とのことです。それで、トイレでも電話を受信出来るように、たこ足配線していたとか。これでは、助けを呼べませんな。」
「父さん、ブロック。」
「ああ、そうだ。写真にあるように、ガイシャの膝の上にブロックが載せてありました。まるで。拷問です。無論、排泄物も貯まったままでした。」
「余程、怨みが強かったに・・・課長、何かメモってます。」
「ああ。お前を殺す時に役に立つかと思ってな。」
「開光君は、シュールなジョークが上手いな。辻君。聞き込みは?」
「近所の話ですと、とても仲の良い夫婦で、病院への送り迎えも夫人が行っていたそうです。アポが取れたので、この後、会社に聞き込みに行って来ます。」
「課長、管理官。ブロックですが、近所に置いてあるものでも、紛失もしていないそうです。それと、近所にホームセンターはありません。スーパーもです。」と、俺は報告した。
「なんで、バーゲンなんだ?」と蘭子はぽつりと言った。
午後4時半。PCを操作していた大曲先輩がメールの残骸を見付けたので、操作本部に持ち帰った。
翌日。午後2時。捜査一課。『ご不浄殺人事件』本部。
取り調べ室から蘭子が出てきた。
「引っ越し会社の駐車場のブロック跡、ネット通販で購入した結束バンドの購入履歴、バーゲンセールのネットオークション履歴、2人の夫人のオトコ遍歴を示すメール、仮想通貨の借金、船田氏の生命保険証書。医療費領収書。預貯金残高。順番に並べて黙っていると、弁護士は自費ですか?と言って来ました。」
午後7時。眩目家。
「ねえねえ、蘭子さあん、なんで判ったの?」
「簡単のことだよ、ワトソン君。脚の悪い夫を放ってバーゲンに行く夫人と、夫の通院に付き添う夫人。とても同一人物とは思えない。可能性は2つ。同一人物ではない、が一つ。もう一つは、内と外では違う顔を見せている人物。後者が有力だな。」
「大好きだよ、ホームズ。」
「シャーロキアンは、いつもそう言うよ。」
そう言った、蘭子はベビードールに着替え、爛々とした目で、血の滴るようなステーキを食べ始めた。」
風邪かな?悪寒が走った。
―完―




