表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/56

22.捜査二課刑事殺人事件

ガイシャは、捜査二課刑事要宗一郎。台所にあった刺身包丁で滅多刺しされていた。発見者は妻哲子。


========== フィクションです ===========

=== 主な登場人物 ===

眩目くらめ真吉・・・警視庁捜査一課刑事。巡査。

大曲尚人・・・警視庁捜査一課刑事。巡査部長。

開光かいこう蘭子・・・警視庁捜査一課課長、警部補。

志摩敏夫・・・警視庁管理官。

井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。

秋野治夫・・・警視庁鑑識課課員。

井関智子・・・警視庁鑑識課課員。井関の娘。


辻・・・捜査一課辻班班長。

蒔俊郎・・・警視庁捜査一課課員。辻班。

要宗一郎・・・捜査二課刑事。

神道助六・・・捜査二課課長。


=================================


午後1時。捜査一課。『捜査二課刑事殺人事件』本部。

昼食の後、捜査会議が始まった。

志摩管理官が説明を始めた。

「ガイシャは、捜査二課刑事要宗一郎。台所にあった刺身包丁で滅多刺しされていた。発見者は妻哲子。哲子が法事で帰省していたが、今朝帰宅すると、夫が殺されていた。現場は居間。十中八九、怨恨だと考えられるが、開光君の受持になった。神藤課長とは同期だったな。」

次に、二課長の神藤が挨拶した。

「直接捜査に加わるかどうかは推移を見て、との管理官のご判断だが、要の担当した事件の調査を徹底的に行い、協力したいと思う。よろしく頼む。」

神藤は、蘭子にも一課の捜査員にも丁寧に頭を下げた。

「こちらこそ、よろしく頼む。要刑事が主に担当したのは?」

「特殊詐欺だ。最近は、電話の特殊詐欺も多い。ケータイキャリアからの電話を装い、音声通話誘導を行う。宅配便の再配達の音声案内などで慣れていると、つい何番を押して下さい、という音声に誘導されてしまう。外国の回線を悪用してランダムな番号にかけてきて、折り返しを待つ。昔流行ったワン切りの要領だな。最近の案件で、相談を受けたばかりの事案があり、警戒するように指導したそうだ。開光。これが、その資料だ。」

「ありがとう、神藤。成程、高齢者なら引っかかりそうだな。ケータイ料金の未納なら、郵便で振込伝票と一緒に来る筈だが、仕組みが判っていないと引っかかりそうだな。」

「もう、オレオレ詐欺は古いだろうからな。必要な相手は全部登録しておいて、それ以外は出ないようにしないとな。」と珍しく大曲先輩は正論を言った。

「で、井関さん。凶器は?」と管理官が尋ねると、「ご丁寧に、拭いた後、消毒している。殺す積りでやってきたんだ。要刑事は必死に抵抗したんだろう。腕に沢山傷があった。智子、幾つだった?」

「16箇所よ、父さん。素手じゃ敵わないわ。」

「ご近所の奥さんから貰った、新品の刺身包丁だそうです。要刑事は料理自慢だったそうです。」と、辻が言った。

「要さんが料理自慢ってことは、ひょっとしたら・・・。」と、俺は辻さんに尋ねてみた。

「眩目君、鋭いね。要さんの奥さんは社交家だけど、家事はほとんど出来ない方だったらしいです。要さんが仕事で帰れない時は、カップラーメン・カップライス。」

「うわあ。」と秋野が言った。

「何、秋野、その反応。智子はちゃんと料理も洗濯も掃除も出来るよ。付き合ってるだろ?この際・・・開光君、取り調べする?」

「喜んで。この案件終ったらね、秋野君。」

大曲先輩は、笑いを殺していた。

そして、何故か神藤課長は恐い顔をしていた。


翌日も翌々日も、めぼしい被疑者は浮かんで来なかった。


午後1時。捜査一課。『捜査二課刑事殺人事件』本部。

辻班の辻と蒔が帰って来た。

「要の妻、俊子の帰省は偽証でした。親族に口裏合わせをしていました。」と辻が言い、「俊子に愛人がいることも判明しました。背格好が・・・。」と蒔が言い淀んだ。

「俺が言うよ。神藤さんに近いんだろ?神藤さんは185センチ。バスケの選手だったらしいからね。」と、大曲が言った。

そして、今度は井関が言った。

「眩目君が見付けた、少し離れた廃品回収所にあったスツールから、指紋と血痕が出てきた。血痕は要刑事のもの。指紋は俊子のもの。」

「揃ったな。今、開光課長が神藤に確認、いや、取り調べをしている。」


午後5時。眩目家。

珍しく蘭子は天津飯と餃子を作っていた。

俺は、管理官の気遣いで、蘭子と共に早退した。


午後8時には、駆けつけた要刑事の親族がお通夜する。

その前に腹ごしらえだ。


「いつ、気づいたの?蘭子。」

「井関さん達がコントしていた時。あれ、頼んだんだ。秋野は智子と『まだ』付き合っていない。神藤が要の妻を庇って、後処理をした。ホシが神藤ならスツールは要らなかった。あのスツールは『物入れ』が、収納スペースがあった。そこにあった、俊子のブローチのことを話したら、神藤は全てゲロした。喧嘩の原因は不倫だ。仕事関係じゃなかった。その相手の神藤が庇うしかなかった。」


食事を終え、俺達は、喪服に着替え、タクシーを呼んだ。


―完―





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ