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ひとびと2  作者: はちみつ
はちみつ日記2
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椿と突っ張り棒

ご近所さんの家の椿が咲き乱れている。

冬にお花が咲くっていいですね。一足先に春を感じられるし、寒さの中強く鮮やかに咲く椿を誇らしいと思う。

今年は、事情があり「いいですね」と言うより、ほっと一安心したのだが。。。


在宅ワークが終わって、洗濯物を取り込んでいたら外から声を掛けられた。小学生1年生くらいの男の子。

「あのう、すいません。ボールが引っかかってとれなくなっちゃったんです」今にも泣きそうな声で言った。

突然声を掛けられて驚いたけれど、あまりにも可哀そうな感じだったので、部屋着でスッピンということも忘れて、男の子の元に行った。

この時、反射的にマスクをしていたのは後から考えたら自分でもびっくり。コロナ感染対策でもあるが、スッピンを隠すために。。。

ご近所さんの椿の木の葉っぱにボールが引っかかっていた。

ちなみに、このご近所さんと私は話をしたことはない。通りすがったことが数回程度。

とりあえず、ご近所さん宅のインターフォンを押してみるが不在の様だ。

どうしたもんかと思っていたら、男の子が「昨日貰ったばかりのボールなんです」とほぼ泣き声で言った。

ご近所さんの帰宅を待って保護者と取りに来るように話したら、保護者に怒られてしまうと泣き出した。

警察に相談は保護者以上にまずいだろうなと思い、何か対策はないかと考えた。

一度自宅に戻り、ブレーカーが落ちた時様に使う長い突っ張り棒を持って、男の子の元に戻った。

椿の木を傷つけない様に、お目当てのボールだけに突っ張り棒が当たるようにつついてみた。

思った以上に椿の木が高く、何度がトライしボールを落とすことができた。

男の子は落ちたボールを素早く拾い「迷惑かけてごめんなさい」と謝り、非常に早く走り去って行った。

なんとかボールが取れたからよかった。

よくよく落ち着いて考えたら、他人しかも不在の家の木を突っ張り棒でつつくってやばい行為ではないか。警察に通報されても仕方がない。

他者から見たら、私と男の子でご近所さんの木にいたずらしている様に見えなかっただろうか。

だんだん不安になってきた。


それから数か月後、ご近所さんが椿の木を剪定されていた。私がつついたところはきれいに切られていた。

それでも、椿の木を傷つけていないか。無断で木をつついてしまったことに罪悪感があった。

菓子折りもって謝りに行こうかとも思ったが、通りすがり程度なのでどの様な方かわからなくて恐い人だったらと思ったら、自己防衛してしまい謝罪に行くこともできずにいた。


先月から、少しずつ咲き始めたお花をみてほっと一安心。

人助けしたつもりが、ご近所さんにご迷惑をお掛けしてしまった。

今後は、泣いていてもきちんと「保護者の方に」と話し諭そうと思う。


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