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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第8章 戦いの終わりに
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決戦の果てに

俺はもちろんの事、マルス達も状況が飲み込めなかった。

突然現れた男、ログェヘプレーベが巨大な槌で自分の主君であるレフィクルを殴り飛ばしたのだから。


「ログェヘプレーベ血迷いおったか!」

「ログェヘプレーベ?はて誰ですかそれは。ああぁ、そういえばいやがりましたね、そんな方」


訳がわからない、だが、反逆という訳ではなさそうだ。


「貴様……何者だ!」

「はぁ……面倒臭いですが仕方がありませんね。それでは改めまして、私はフリューゲルと言いやがります。あぁ、別に覚えておく必要はありませんよ、貴方にはここで死んで頂きやがるんですからね」


レフィクルが苦痛に顔を歪めながら立ち上がり、ボロボロな状態にも関わらず戦う構えを取りだす。


「余を、侮るな」

「そんなボロボロで侮るな、ですか? ぷっ、くくく、あはははははは。確かに侮っていましたよ、お腹がほらこんなに笑いすぎて痛くなりやがってますよ」


狂っている。その場にいた誰もがそう思ったはずだ。そしてーーー



「あぁ、貴女は先程私を真っ二つにしやがってくれた白のレースショーツを履いた、え〜と確かサーラと言いやがりましたっけ?」

「なっ!」


俺に気がつきレフィクルを無視して今度はフリューゲルが俺に声をかけてくる。

思わず足を閉じスカートを抑えてしまう。



「余は無視か? フリューゲルとやらよ」

「もはや神威を失った貴方に勝ち目はありやがりませんよ……レフィクル」

「ふむ、余も甘く見られたものだ。女、運が良かったな。貴様に使うつもりだったが……神をも屠る“死の天使”、フリューゲル、貴様に使ってやろう」

「はははは、あーははははは、何それ美味しいの? 是非やって見せてくださいよ」


まったく話が見えない。レフィクルは倒さなければならない相手であり、フリューゲルと名乗った男はレフィクルを攻撃した、という事は味方であると見ていいはずなのだが……

あれが味方とはよほどのバカでもない限り思わないだろうし思いたくはない。



「おい、あんたは俺たちの敵か味方か?」


いや、いたよここに。


バカ笑いしているフリューゲルは笑いを止めてマルスに向き直ると、まるで思案するようなポーズを取りしばらくした後、答えを導き出したかのように人差し指をピンッと立て答えた。


「そうですね〜、どちらでもありませんね」

「なら邪魔立てするな」


次の瞬間レフィクルがマルスの方を向いているフリューゲルの脳髄に漆黒の短剣を突き立てた。


「痛いじゃないで……」


ヴァサァァァ……


余裕のある笑顔でレフィクルの方へ振り向いたフリューゲルの体が塵となり崩れ落ちた。

そして事が終わったとばかりレフィクルが俺の方へ向く。


「女、次は貴様だ」


何あの反則的な攻撃! “死の天使”って言ったっけか? あんな分解(ディスインテグレイト)みたいな攻撃喰らったらたまったもんじゃないぞ。そして何故かレフィクルは俺に固執してくる。


慌てて身構え直し迎え撃つ姿勢を整える。

飛ぶような速さでレフィクルが攻撃をしようとした時だった。

ゴファっと血を吹きながらレフィクルがまたも吹き飛んだ。

吹き飛んだ後には巨大な槌が見え、塵になったはずのフリューゲルがいた。


「な、なぜ……だ。“死の天使”は完全に決まったはずだ……」

「効きやがりませんよ、そんなもの」


ゆっくりと体を起こせないレフィクルに近づいて行き、その巨大な槌を振り上げた。


「もう十分、楽しみやがったでしょう。死極に行きやがってくださいよ」

「余は貴様を許さん」

「どうぞどうぞ、ご自由にしやがりください」


そしてその巨大な槌が振り下ろされーーー


ベシャッと押し潰された音が響いた。





戦場に静寂が訪れ、俺たちには一体何が何やら訳が分からなくなっていた。


巨大な槌を振り上げると肉片が骨がブッ潰れ、血があふれた肉片があった。もちろんそれは元レフィクルだ。

俺たちの倒さなければならない敵だったレフィクルはこうしてあっけない最後を迎える。

これで大洪水による世界の崩壊はまぬがれたはずなのだが、俺にはそれ以上に目の前にいるフリューゲルが危険な存在だと感じた。



「お前は一体、何者なんだ」


思わずサーラである事を忘れ、素の口調で喋ってしまう。


「うん?、私はフリューゲル、第一の騎士」


敵意を全く感じられない妙に素直な返事が返ってくる。

第一の騎士? なんか聞き覚えがあるようなないようなーーー



俺はマルス達の顔を1人づつ見て行くと、誰もが分からないと言った顔をしている。だが1人だけ、レフィクルを相手にする時にすら見せた事のないような表情に変えたキャスがいた。

その正体を知っていて尚且つその表情から相当ヤバいものなのだという事が理解できる。



「第一の騎士……創造神が今の神々を作る前に作り出した忘却神……」

「キャス、知っているんですか?」

「う、うん、サーラ、その人は、うううん、今僕たちの目の前にいるその神は、人を殺す事が許された神で、世界の終末に現れるとされている忘却神の1人だよ」


キャスが第一の騎士の説明をするとフリューゲルは礼儀正しく一礼して見せた。




「なんかまた訳わからない人が出てきたわね」

「フリューゲルでしょ? この神様1000年後ぐらい先のキーパーソンなんだよ」

「セーラムってばもう……って1000年後⁉︎」

「うんうん」

「あー、それもう私絶対にいないわ」

「そりゃあねぇ、レイチェル人間だもん」


そこまで書き続けるか不明ですけどね。


「主人公はやっぱりサハラのままなのかしら?」


まぁそこまで書くか分からないので教えておけば、サハラの立ち位置はキャスやマルスの様な重要だけれど主人公ではなくなりますね。


「あらら、そうなのね。 まさかセーラムが主役とか言わないわよね?」


そこまでは秘密です。


「ちぇ〜、けちんぼ」



そんなわけで更新です。今晩もう1話更新できたらしたいと思っています。既にこの章は書き終えていますが、次章が遅れているので時間稼ぎさせて貰います。

次の章は好みが非常に分かれる話になるので、できるだけ読み飛ばしができる様にしてみようと考えています。

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