それぞれの想い
1週間ぶりの更新です。
おかげさまで風邪もほぼ治りました。
今回から第7章になります。
そろそろ半年が経とうとしている。
ガウシアン王国の王都はすさましい暴風が襲い、怪我人こそ多数出たが死人は出なかったらしい。町はメチャクチャでレフィクルの神殿と王城に至っては壊滅的状態だったそうだ。そのおかげかガウシアン王国は復興に追われこちらに手を出してくることはないまま時は流れた。
あの時以来サハラは消息は絶ってしまう。
レイチェルは自分の勘違いからサハラを追い出す様なことをしてしまった責任を感じてすっかり落ち込んでしまい、レジスタンスの中には大洪水などの話に僅かながら疑念を持つものまで現れてきていた。
サハラが居なくなって以降もキャスはアジトにはいるが、サハラがいた時のように俺たちに接触してくる事は無くなってしまった。
ヴァリュームで待機しているセッターやセーラム達もサハラがいなくなったことで士気の低下が見られ、全体的にまとまりがなくなってきていた。
「マルス殿…いえマルス様、このままでは全体の士気に大きく関わります」
「ああ、あれ以来ただ時間を待つだけだから仕方がないだろうな」
「もうそろそろ半年。連絡がくる頃なのでは無いでしょうか?」
最近になって俺はレイチェルと正式に婚約した為、時期レドナクセラ皇帝として扱われている。
「神々の魂封印とやらが成功した知らせでも入れば士気は上がるだろうさ。
しかしてっきりサハラの奴、始原の魔術で無差別大量殺戮するもんだと思ったが、町の破壊だけが狙いだったとはな。
それを知ったレイチェルが勘違いでサハラを追い出したって、すっかりふさぎ込んじまってる」
「そう疑われるような言動と行動をしたのがいけなかっただけでしょう」
コンコン
会議をしているとノックがされる。
ドアが開き入ってきたのは、あれ以来会議にも顔を出さなくなり、本人からは誰とも接触をしてこなくなったキャスだった。
「これはキャス殿、久しぶりですな」
「報告だけね。神々からレフィクルの魂の封印に成功したから、後は人に任せるってさ」
「おおおお!ついに来ましたか」
「うん、伝えたから…じゃね」
それだけ、たったそれだけ言うとキャスは会議室を出て行ってしまった。
今の報告でワイプオールや他の面々はこれから起こる大戦で気持ちが高ぶっているようだが、現状を見る限り俺たちには神の代行者という強力な助力を失ったも同然で、兵力差も圧倒的不利に変わらない。
それをどれだけの人が理解しているんだろうか。
「サハラがいなくなっちまっただけでなんか敗北感を感じるぜ」
「居なくなった者の話はよしましょう。
それより早速ヴァリュームに連絡を飛ばし、まずはレドナクセラ帝国を取り返さなくてはなりませんぞ!」
わざとサハラの名を持ち出してみたが、まるで腫れ物でも扱うかのように切り捨てられてしまう。最もサハラを信じないでそうさせてしまった俺にも問題があるわけだが…
まだまだだな、俺も。
作戦会議がすぐに行われ、まずキャスの魔法でクリティカルとファンブルがヴァリュームに知らせに行くことが決まり、それと同時に此方も帝都を陥落するために進軍を開始する事となった。
そうする事で帝都に到着し攻略開始する頃にはセッターやノーマ率いるヴァリュームの兵が到着するだろうとワイプオールは言う。
そして今日より俺たちはレジスタンスから解放軍となった。
僕が呼び出され作戦会議で決まったことを手短に説明を受ける。
「いつでも魔法の準備は出来てるよ」
「それではキャス殿、早速お願いいたします」
準備を整えたクリティカルさんとファンブルさんが書状を受け取って待っている。
2人共帝都での活動だったらしいから、ヴァリュームに詳しくない。移動先の位置をあらかじめ教えてから僕はゲートの魔法を唱えた。
青く光る扉というよりはただの光。2人は吸い込まれるように入っていった。
ゲートが閉じるとアジトの方が騒がしくなっていって戦える者は先に、戦うことのできない者は荷物を荷車などを引いて遅れて向かうことになる。
「キャス殿、戦えない者達を宜しくお願いします」
「りょうかーい。こっちは僕に任せてワイプオールさん達は頑張ってね」
準備が整った戦える者達、解放軍が一足先に向かっていった。僕の想定ではレドナクセラは容易くはないけどそう難しくもなく取り戻せると思う。これで苦戦するようならガウシアン王国、レフィクルは相手にできないしね。
「どちらにしても僕はノンビリいけばいいだけだね」
ヴァリュームにクリティカルとファンブルが着き、報告を受けたノーマ侯爵、女将さん、旦那さん、そして招集された私とギャレット様とセーラムなどの主要な人物が集まった。
「いよいよであるな。兵は誰が指揮をとるのであるか?」
「ノーマ、あんたでいいんじゃないかね?兵士だってあんたに命令された方がいいだろうし、あたいも旦那も軍隊を指揮するなんて経験はないさね」
「セッターもそれでいいのであるか?」
「問題ないです」
「サハラがいないままで大丈夫なのかな…」
ここでセーラムが余計な一言を言ってしまう。
あの日の夜遅く、突然マスターがリッチのバルロッサ王の元へ戻ってきた。
その時のマスターの顔は今まで見たこともない無表情さで、ただ淡々とエラウェラリエルが亡くなったこと、レフィクル配下が襲ってくることは無いからヴァリュームに戻っているようにとだけ伝えると、そのままどこかへ行こうとした。
「おいサハラ、お前はどうするんだ?」
いろいろ聞かされ過ぎて頭が追いついていかない私に変わってバルロッサ王が聞いてくれた。
「俺はこれから急いで戻ってウェラの埋葬に行きます。2人には済まないがヴァリュームで待機していてほしい。
バルロッサ王、少しの間でしたが2人をありがとうございます」
「ーーーお前、いや、なんでもない。わかった…」
それが私がマスターを見た最後だった。
後で埋葬には姿を見せなかったことや事の末端を聞かされるが、私とセーラムはマスターが無差別大量殺戮などしないと信じて疑わなかった。
そして実際にも建物の倒壊はすごかったものの、怪我人こそ出たが死者は出なかったと知る。
ヴァリュームの町中が慌ただしくなっていき、必用最低限の兵を残してヴィロームへと解放軍の進軍が開始された。ヴァリュームのほうはノーマ侯爵の信用のおける部下が仮に任されることになった。
ついに第7章まで来れました。
第7章は戦争が主体となると思います。が、大戦的なものは初なのでうまき表現できるのやら…
一応頑張って下書き進めてます!
あと、なんか土曜日から物凄いアクセス数になっていてびっくりしています。一体何が起こったのやら…
次回更新ですが、一応来週日曜日に定時更新の予定ですが、進行具合によっては何話か更新出来そうです。




