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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第6章 死と薄まる団結
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友との再会

お待たせしました。

その日とりあえず休める場所だけでもと埃まみれの場所を片付け、日が落ち始めた頃に何とか横になれるだけのスペースを確保した。

食事はエルフの携帯食と水だけだ。



「なんか惨めに感じるのは気のせいか?」

「ダンジョンか何かにでもいると思うしかないですね」

「もうすぐレイチェル達は美味しい夕飯か。

……!セッター」


声を出さず頷いて答えた。


俺たちが潜伏するこの家に誰かが近づき、入り口をノックしてきた。いや、ここ空き家だぞ一体誰だ?そっと覗いてみるとーーー


シャリーがいた。やはりガウシアンと繋がっていたのか。


「サハラおぅ…サハラ様、居るのはわかってますわぁ」


なんなんだあの女はーーー

隠れるのをやめ入り口に出るとシャリーが微笑みを見せる。


「で、一体何の用なんですか?」

「ええ、無駄な行動している様を見てイライラしてしまいましたので少しばかりお手伝いをと思いましたわ」

「む、無駄…」

「手伝い…」

「ここに居てもギャレットさんは現れませんわ。ギャレットさんは既に、ヴァリュームにサハラ様がいる事を知っていますから」

「は?」

「それだけですわ」


それだけ言うとシャリーは立ち去ろうとする。


「待ってください。手伝ってくれるというのは?」

「もうお手伝いはしましたわ。それでわぁ」


と締まりのないおっとりとした口調で返事を返すと振り返りもしないで歩き去っていく。俺はもちろんセッターも固まったままシャリーの後ろ姿を見送った。



何者なんだあの女。何故か全てを知っているように思う。まさか俺やキャスのような転移か転生した人物なのか?

それと手伝いはしたと言った。と言う事は今の会話のやり取りでヒントを言ったということなのだろう。


とりあえずシャリーに関しては後回しで、キャスに会った時にでも聞くことにし、ギャレットのことを優先することにした。


「今の会話で何かヒントのようなもの分かったか?」

「…いいえ」


ギャレットの現状を洗い出すことにしてみる。


6年前の時以降ギャレットは処刑された事になっていて、今は素性を隠してノーマ侯爵に仕えている。

旅立つ時町の入り口に現れたことから、自由が全くないわけではない。


「他に何かあるか?」

「ここに戻る事があるというぐらいでしょうか…」


それじゃあとシャリーが言った言葉の意味を探ってみる。


「ギャレットは既に、ヴァリュームに俺がいる事を知っているだったよな」

「はい」


何故いる事を知っているのか?ヴァリュームに入る時身分証は出したが、商人ギルド証だけで許可が下りた為名前まで確認していないはずだーーー


「まったく分からん!」

「そう腐らなくても…」


俺は訳がわからないシャリーの手伝いという言葉にイラつき、掃除した床に寝っ転がったーーー


ん?なんか頭のフード辺りに違和感が。


フードの中に手を突っ込むと羊皮紙の切れっ端が入っていた。


「何だこれ?」

「どうしたんですか?」

「いや、フードの中にこんなモンが…あ」

「マスターそれは…」


羊皮紙にはある場所の名前が書かれていた。


「「これだあああぁぁあ!」」


待ていつの間に入れたんだ?いつ?イヤ、それ以前に罠かもしれない。ってそもそもこれがギャレットのものとは限らないじゃないか。


「どうします?」

「怪しいよな」

「でも、アテがないですよね」



結局アテもなく唯一の可能性はこの羊皮紙に書かれた場所に行く以外になさそうだ。

セッターと相談した結果、危険な場所でもない為行ってみる事にした。



「マスター、なんかシャリーさんの思惑通りに事が進んでいるように見えるんですが…」

「まったく同感だ。何者なんだあの女」

「マスターを王と呼んだり、私達が来るのを知っていたり、謎だらけですね。

っと、もうすぐですが…」

感知(センス)には1人だけか」


羊皮紙に書いてあった人気のない場所の側まで行くと、ギャレットかまでは分からないが1人いるのが感知(センス)の反応で分かる。


「やっと来たね」


懐かしい声だった。今は確か35歳になるんだったか、多少老けた感じはあるが間違いなくギャレットがそこにいる。


「お久しぶりです。ギャレットさん」

「ギャレット様」

「久しいぶりだな我が友サハラ。それとセッター」


俺はギャレットと握手を交わす。そして気になっていた、いつ俺たちに気がついたのかを尋ねると、なんとヴァリュームの入り口で応対したのがギャレットだったんだそうだ。俺の肩を押した時に入れたんだそうだが…まったく気がつかなかったよ。


「でも不味いんじゃないですか?素性は明かしてはいけなかったはずですよね?」

「一応侯爵には話をして許可は貰っているんだよ」

「よく…許可が下りましたね」

「あぁ、捕らえると言ったら簡単に許可が降りたんだよ」


ナッと声を上げようとした時、感知(センス)で50名近い人数が囲むように近づいてきているのに気がついた。


「捕えよ。殺すなよ」

「…騙したの…か?」

「ギャレット様⁉︎」

「出来れば暴れず大人しく捕まってもらえると助かる」


どうする?逃げるのは簡単だが、そうなるとレイチェル達も一緒だったのはバレている。

鞄と7つ星の剣を預けてきておいて正解だったな。


「分かりました。だけど捕らえるからには罪状は一体何なんですか?」

「ある情報で、2人が侯爵の命を狙っていると…」

「何で俺が侯爵の命を狙わなきゃいけないんですか!」

「私もにわか信じがたい話だったが、侯爵はその情報が本当でヴァリュームに2人が現れたら捕らえてくるようにと、真意が分かるまでは傷もつけるなと命じられている」


それでギャレットはヴァリュームの入り口にいたわけか。全てが納得いった。だが、侯爵の命を狙っているという情報の出処だけは分からないーーー


俺が大人しくしている所為かセッターも大人しく縛られ、そのまま侯爵のいる館に連れて行かれた。




シャリーさんは謎の人です。

とりあえず重要人物の1人かもしれませんが、気にしなくても良いのかもしれません。

いつかきっと正体が明らかになるのかもしれません。


今回は1話だけになりますが、更新は来週前に最低一度は行います。

この第6章で恐らく戦争前まで来る予定ですが、うーん…


とりあえず頑張ります。

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