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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第6章 死と薄まる団結
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再会と出発

レジスタンスの隠れ家のあるソトシェア=ペアハに戻った俺たちは、おおよそ1年ぶりにキリシュたちとエンセキたちと会った。



「レイチェルちゃん、いやプリンセスレイチェル久しぶりなんだな」

「ワシらの姫、レイチェルちゃんは、本物のプリンセスだったとは驚きじゃあ!」

「素晴らしいことですね。ですが私達とレイチェルさんとの距離が離れてしまい残念です」

「でもでも、まだ逆転チャンスがあるよぉ。僕は宮廷魔術師狙っちゃうもんねぇ」

「クッ、シーフは閉ざされた財宝になってしまいました」

「皆んな久しぶりね。色々手伝ってくれたみたいでなんてお礼を言ったらいいか」

「「「「「レイチェルちゃん(さん)が喜んでくれたらそれで十分(です)!」」」」」


ブライス達は相変わらずだなーーー


エラウェラリエルは久しぶりのキリシュ達との話に花を咲かせていた。



キャスは戻ったその足で世界樹のエルフの森へテレポートしていき、ゲートを開いてエルフ1000人が姿を見せた。その中にはベジタリアンの姿もあった為、俺がセレヴェリヴェンの最後を伝えた。


「そうですか。残念ですが彼は立派に役割は果たしたのですね」


たったそれだけだったが、その顔には目には薄っすら涙が見えた気がした。



マルスの元にはカインとアベルが来て色々聞かれていたようだ。





しばらくしてレジスタンスの代表でもあり、元レドナクセラ帝国の重鎮だったワイプオールが姿を見せ、俺とキャス、マルス、レイチェル、セーラム、セッターが呼ばれ、加えて世界樹のエルフの森のリーダーのベジタリアン、冒険者代表として女将さんと旦那さんも呼ばれた。


「まずは旅の成功お祝いします。そして集まってくださった方々に感謝をしたい」

「堅っ苦しいのはいいさね。それで?これだけの人数だけでガウシアンに戦いを挑むなんてまさか言わないさね?」

「この他に北の蛮族が戦いが始まったら北から攻め込みます。後は霊峰のゴールドドラゴンの方は?」

「力を貸してもらえる約束は取りました」

「さすがはサハラ殿」

「足りねぇなぁぁぁ」


旦那さんが低音で吠えた。

レイチェルとセーラムがヒィと小さく悲鳴をあげる。


「俺ぁ冒険者だったから戦争はわからねぇ。だけどよ、冒険者ってのは負けは死だ。今の状況なら勝ち目がないのぐらいわかるぞおぉぉ」


いや、だからそんな白目向き出しながら言わなくてもいいかと…だが実際に旦那さんが言った事は正しいと思う。キャスと俺がいると言ってもガウシアンの兵は遥かに凌ぐ数がいる。加えてレフィクルにも信用の置けるとんでもない奴はいる。

例えばマルスの家族を殺したライレーブ。仮にも武で名を馳せたボーロ家の男爵を足止めすらできずに殺した。

そしてヴァリュームのノーマ侯爵。彼の武もまた見た限りまだあの時全力は見せていない。だが、ノーマ侯爵は民に優しく優れた領主だと思う。



「我々としてはまずレドナクセラの首都を取り戻したい。いきなり責められでもしない限りあそこは守りに硬く、攻めに出やすい。そして何より姫がいればレドナクセラ帝国が蘇らせられる」

「私は道具じゃないですよ」

「えぇもちろんです。そしてトラキアル王国の男爵子息であるマルス殿と婚姻を結べば皇帝も復活します」

「それだとさぁヴァリューム、ヴィローム、ヴェニデ、ヴォルフの後方からとではさみ打ちを受けちゃうんじゃない?」


そこでワイプオールは俺から聞いていたヴァリュームの領主、ノーマ侯爵がこちらに引き込める可能性が僅かながらあるのなら試したいとーーー


「失敗したら終わりですよ?そんな馬鹿げた戦略に私は仲間のエルフを犠牲にはできません」

「同感さね、あたいを信じてついてきた仲間を犬死させるわけにはいかないさね」


まぁそりゃ当然だな。

そこでワイプオールは話を続ける。帝都はヴァリュームの領主を試してから落としにかかることにし、ヴァリュームのノーマ侯爵へは個人的に俺たちが話を持ちかける。失敗してもレジスタンスは一切関与しないというものだった。


「それっていうのはサハラ達を切り捨てると言ってるんじゃないのかい?」

「いや、やる」

「はぁ?アンタそんなに馬鹿野郎だったのかい?」


俺からこの案を言い出した事を女将さんに言い、その理由を話した。

レドナクセラの強みは帝都を守れば後方は生産などに力を注げるところだ。加えてノーマ侯爵は人徳があり、そして強い。


「あんたそれで良いのかい?」

「えぇ、俺が言い出したことですからね。1人で行きますよ」

「マスター、私も行きますよ!」

「私も行くわ。お父さんとお母さん、それにカイ姉さんに会いたいもの」

「あたしも行くよ。あたしにとって故郷だもん」

「ははは、初期メンバーだな」

「あ、本当だ!」


女将さんとベジタリアンには相当俺たちを思いとどまらせようとしたが、最終的に折れてくれた。


翌日出発となり、期限は100日与えられた。十分すぎる日数だが、状況によってはギリギリになるかもしれない。

キャスがヴァリュームまでのゲートを開いてくれるため、かなり時間は稼げるだろう。


と言うか魔法ってやっぱり凄いな。



俺はレイチェルとセッターとセーラム、加えてオルが一緒についてくることになった。1番俺とセーラムになついているからだそうだ。



翌日、キャスがゲートを開く前に出る場所を教えられる。帰りは使い魔を寄越してくれればすぐに迎えにもきてくれることになった。



「じゃあゲート開くよ。んー、本当に僕ついていかないで良いの?」

「大丈夫だよ」

「それじゃあ改めて」


青く輝くゲートが現れる。


「それじゃあ、行ってきます!」

「いってきま〜す」


ゲートを潜り抜けた。


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