アイボール
*重要なお知らせ*
今後も最低週1で更新しますが、それ以外でも更新出来そうであれば更新する事にします。
期待されすぎても困りますが(^^;;
10メートルは離れているところから俺たちが走り迫るとアイボールは気がつき主眼で見つめてくる。
あ…れ…
そうだった。俺の騎士魔法は腕輪の力によるものだった!
あらかじめ使っておいた予測が効果が無くなっていた。
マルスの持つ剣アルダも魔力の輝きを失っていたが、セッターの持つ7つ星の剣は白く輝いている。騎士魔法は魔法扱いじゃないのか聖剣は残っているようだ。
セーラムは⁉︎
セーラムを見ると紡いでいる短槍と鎧と盾が消えたり現れたりを繰り返している。
贖って…いるのか?だが…
そんな事を思っているともうアイボールの間近まで来てしまい、仕方なく騎士魔法が扱えないまま攻撃に集中する事にした。
実物は数値や絵で書かれたものよりデカイな。ただのオーク材の杖で心許ないが仕方ないか。
マルスが魔力を失ったアルダを主眼に狙いをつけて突きを入れるが、素早く目を閉じられ攻撃を防がれる。そこへ今度はセッターが7つ星の剣で斬りかかるが、驚く速度で後退して躱すと複眼から光線を放った。
複眼でもやはり見えてるのか。
狙いがマルスとセッターで2人は辛うじて躱した。
セーラムはこの山に来てから急成長を遂げ、もしかしたら1番強くなったのかもしれない。
姿が見えないと思ったらアイボールの体に紡いだ槍を突き立てていた。
「グオオオオオオオオ!ビホ!オレ様を傷つけるとは!ビホ!」
「なっ!」
「喋った!」
そうだ。この世界ではアイボールだが、ビホルダーは共通語を話す以上に十分な知能を持っている。
アイボールは目を見開きながら距離を取り、俺たちを伺いながらしかし油断なく複眼で狙いを定めている。
「何者だろうが関係ない。ただお前を倒してゴールドドラゴンの元に行くだけだ!」
突き立てた槍は消えていて、今はセーラムの手元に主眼に見つめられても消える事なく存在している。
マルスが剣を構えながら答えつつ躙り寄る。
「ま、待て!ビホ!オレ様はその金竜様の番兵だビホ。ここを無断で通る奴を見張るのがオレ様の役目だビホ」
「なら通せ」
「グフフ…良かろうビホ。だが1人づつだビホ」
違う。アイボール…ビホルダーは確かローフルイビルだったはずだ。
ローフル(法)イビル(悪)とは分かりやすく言えば悪代官、世間体の目さえなければ平気で法を破るような奴のことだ。
「そんな単純な罠に引っかかるとでも思ってる…」
その瞬間アイボールが主眼と複眼ばかりに注意して躙り寄っていたマルスに飛びつき、その大きな口で噛みつき咥えこんでしまう。
マルスの苦痛の声が上がり、慌てて助けに入ろうとした俺を複眼の光線が襲ってきた。
しま…った…
辛うじて1本の光線は避けたが、2本目を避けきれず身に受けてしまう。
が、何も起こる事はなかった。光線を使う際は主眼の範囲外になり魔力無効が消え、失った魔力が元に戻る為、またしてもバルロッサのくれた守りの指輪に救われたようだ。
即座に咥えられ噛みつかれているマルスを救うべく、杖でアイボールの口めがけて突きたてテコの原理で開こうとする…
ボキッ!
クソッ!折れた…
鞄から替えの杖を出そうとしたが、主眼に見つめられ、魔力を失っていてただの鞄になってしまっている。
その隙にセッターがマルスを救う…なんて事はなく斬りかかり、10個あるうち数本の触手のように伸びた複眼を叩き切った。
「グオオオォォ!ビホー!オレ様の複眼をぉぉ!ビホ!
お前ら許さん許さんぞおぉぉ!ビホ!」
マルスが口から解放され床に落ち、アイボールがセッターに向かって残る複眼全てから光線を放とうとした時だった。
「そこまで」
「あがっ!き、金竜様」
突然見知らぬ声だけが響き渡り、アイボールが慌てながらその相手に返事を返している。
声の主は霊峰の金竜のようだ。
「門番は確かに任せましたが…誰が殺せと命じましたか?」
「そ、ぞ、ぞれは…ビホホ」
アイボールが怯えていた。
なんだ?なんなんだ?この世界のドラゴンはルースミアと言い一体どういう存在なんだ?
どうやらアイボールが言ったように門番と言うのは間違いないようで、どうやら殺してはいけないという指示を受けていたようだ。
「ですがコイツらオレ様の複眼をぉぉビホ」
「後でオルに治療してもらいなさい。それより先に役割を果たしなさい」
「分かりました…ビホ
おい、お前ら。通っていいビホ」
わけがよくわからないが、取り敢えずレイチェルがマルスの傷を癒すと念のためアイボールに気をつけながら広間を通り抜け、その先に見える通路を進んだ。
この先にゴールドドラゴンがいる。セレヴェリヴェンの願い、目的を果たしてみせるからな。




