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始原の魔術師〜時を旅する者〜  作者: 小さな枝切れ
第5章 霊峰竜角山攻略
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最後の挑戦

女将さんと旦那さんの勧誘に成功した翌日、朝早くに霊峰竜角山の入り口に向かう。

日が昇りだす頃だと言うのに入り口には結構な冒険者達が集まっていて、パーティ募集や勧誘などをしている。


俺たちが入り口に向かうと一瞬にして静まり返り注目され声援を送る者、ヒソヒソ何やら話し合う者様々見られる。それを尻目にポッカリと空いた霊峰竜角山の中に向かう。

いつもであればそのまま素通りだが、その日は女将さんと旦那さんが見送りに来てくれていた為足を止める。


「お前達ならきっと出来る。頑張れ」

「さすがに町にいるときとは気合っていうか気迫が違うさね。頑張ってきな!」

「ええ」


他の皆んなも町のときとは違い、2人に怯えたりすることもなく向き合って頷き合っている。


よし、これなら大丈夫だ。俺たちならきっとやれる。




実質まだ4回しか挑戦していないがされど4回。前半は出てくる魔物や罠などは簡単に倒し進む。

中盤あたりまで来ると苦戦はしないが魔物の数も増えていき、山の外壁に出るところでは魔法無効が働く中ワイバーンを相手にしなければいけなかったりする。

尾根を抜けるところでは飛行生物が増え、グリフォンやヒポグリフなんかも出てくる。

既にオーバーハングも超えた。



少し俺が気になったのはこの山に生態系だ。

通常であれば食物連鎖で形成され、その頂点にゴールドドラゴンが存在すると思うが、全くそういうものがなく無差別に存在している。

そして魔物を倒しても倒しても減ることはなく、まるでゲームか何かにようにスポーンされているように現れる。


考えられることといえば魔法あたりだろうが、魔法でクリエイトされた魔物であれば数には限界があるはずだし、時間が経てば消えてしまうはずだ。そんな力があったらもはや創造神に匹敵することになる。


まてよ…神々は、あくまで人の神であって魔物は含んではいないということなのか?

そういえば初めて創造神に会った時ルースミアを神が侮れない存在と言った。

魔物にも神がいるという事か?又は特定のドラゴンが神だとでも言うのか?いや、それだと話のつじつまが合わない。

創造神は確かにこの世界の創造神だと言ったはずじゃないか。だとしたら別に存在するのはおかしい。

ま…さか…な……。




気がつけばアイボールのいる広間の近くまで来ていた。

ここまでの道のりも5回目ともなると想定以上の速さでたどり着いてしまう。と言っても入り口から入って既に23日は経っている。


「初めてここまで来た時は46日かかったが、2回目ともなれば案外あっけないもんだな」

「そうだな。だけど今回はここが山場だ」


作戦はいろいろ考えた。だけどいくら考えようが勝利する為にはやはり魔法には頼れない以上一気に接近し、主眼である目を潰す以外なかった。


「主眼さえ潰せば魔法も使える。だがそれと同時にアイボールも複眼を滅茶苦茶に使ってくるはずだ」


つまり主眼を潰すまでは真正面からぶつかれば、複眼を使う際に主眼が目を瞑るため回避のタイミングが読めると踏んだ。

そして主眼を潰せば主眼の魔力無効が使えなくなる以上、無差別に複眼を使ってくるだろうと踏んでいる。

そうなったら後はエラウェラリエルの魔法を含め総攻撃で可能な限り素早く倒すのみだ。


当初は複眼を潰してからとも考えたが、その間に誰かが複眼の攻撃を受けてしまうと回復もできない。ゆえに主眼を先に潰す方向に変えた。


「私は後方で主眼が潰れるまで待機ですね」

「あぁ、ウェラには主眼が潰れたら頼む」

「やっぱり私も弓打った方がいいんじゃないかしら?」

「ダメだ!主眼さえ潰せば、レイチェルの神聖魔法にも頼れるんだ。その前にもしもがあったらどうするんだ」

「わかったわよ」

「セーラムも武装が紡げないようなら…」

「分かってる。でも…

きっと(あがな)ってみせる!」


あれ、セーラム?


「良いですか?例え誰かが途中で倒れようと主眼を優先してください!」



アイボールのいる広間までの通路には魔物の存在は確認する限りいない。まるでここが運命の分かれ道のように感じる。

俺も無駄と分かりながらも、今日だけはアイボールに対応できそうな魔法を記憶しておいた。

マルスの持つ剣、アルダも恐らく主眼により魔力を失い、セッターの持つ7つ星の剣も同じだろう。

問題はセーラムで、リングオブマナも魔法の力だ。なので紡いだ武装が解除されるようなら、直ぐに下がるように言ってある。たださっきのセーラムはなんかいつもと違う雰囲気だった。


全ての準備が整い、俺たちは広間に向かって近づいていった。

前回と同じ場所にアイボールはいた。

ユックリと浮遊しながらウロウロと動いているのが確認できる。

エラウェラリエルとレイチェルにはここで待機してもらい、俺とマルスとセッター、紡いだ武装のセーラムが突撃の準備をする。


頷き合い、一斉に走り込んだ。




いつも見てくれてありがとう。

今回はここまでです。


次回はどこまで進められるか分かりませんが、アイボールとの決戦からになります。


少しづつブックマークも増えてきているようで嬉しいです。

ストーリーの方は後半の方に来たのかな?といったところで、前作の凡人の異世界転移物語に比べると長くなりそうです。

また、気がつかれているかもしれませんが、主人公であるサハラの口調も相当変わってきています。

後一応ですが、賢人の腕輪の力は後1つ残っています。



次回更新は来週予定です。お楽しみに

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