呪いの魔剣
「それで、師匠。 訊きたいんですけども」
「何だ? 言ってみな」
思いがけずすぐさま承諾された。
確か、今日はやることがあると言っていた気がするが……。
そういえば、現在時刻がまだ分からないんだった。
「あ、それはそうと今何時です?」
一応知っておくべきだろう。
「今は朝7時だ。 1時間後に外に出るから、そのつもりでいろよ」
用事はまだ先か。
どうやら師匠の方も都合が付くようだし、少しくらい時間をとってもよさそうだ。
「まずは、この剣なんですけど、これはいつになれば僕の手から離れるんですか?」
他の召環者の所在も気になるが、この世界に来てからずっと邪魔でしょうがないこれを先に何とかしたい。
『斬りたい物だけを斬れる』のは規格外の能力だが、手から放せないというのは不便極まりない。
今まで何人もの召環者が来て、同じ事を思ったことだろう。
だから、解決策はあると思っていた。
「ああ、それか。 正直、俺にも分からん」
「……え?」
しかし、師匠の言葉は予想に反していた。
これでやっと放せると高を括っていた僕にとって、その返答はショックだった。
「だっ、だったら、一生このままってことですか?!」
焦りでつい口調が荒くなる。
普通の街中で、こんな凶悪な刀剣を持って歩けば、危険人物以外の何物でもない。
これでは元の世界に戻れたところで、普通の生活を遅れるはずがない。
「ああいや、そういう訳じゃ……無いとも言い切れねえな」
どういう意味だ?
完全に否定する訳では無い曖昧な返しに懐疑する。
「不規則なんだ。 死ぬまでに離れた例もあるし、死ぬ時にやっと離れた例もある。 死んでからも離れないなんてこともあったな……」
だから”分からない”と言ったのか……。
酷な現実を突き付けられて呆然としている僕を前に、師匠は『これは独り言だが』と前置きを置いて呟き始めた。
「俺が思うに、全くの不規則じゃなく、多分何らかの条件はある。 それが何かは分からない。 が、それを満たせばもしかすると……」
解放されるかもしれない、という事か。
修正(25/12/8)
・数字の表記を修正




