戦闘描写は頭を使う
こちらを見据えていたドラゴンが、仰け反って息を吸い始めた。
この動作……、アレだ!
焦りながらドラゴンの側面に回り込み、振り向くと、ドラゴンの口から凄まじい業火が吹き出ていた。
地下でも同じ予備動作を見て来たから、早くに予測して行動することができた。
ともかく、これは好機と、ドラゴンの後ろ足に狙いを付けて、力の限り剣を振る。
「ヴォア゙ア゙ア゙!!」
斬撃を受けたドラゴンは悲痛な叫び声を上げ、前足を振り回して抵抗してきたが、その頃には僕は退いていた。
よし、先手は打った……。
師匠からのアドバイスで、ドラゴン、というか大きなモンスターは小回りが利かないことが殆どだから、カウンターが有効なのだと教わり、それを留意していた。
問題は、如何に攻撃を躱すかだ。
この体格差では、相手の攻撃一つとっても、当たれば致命的だ。
しかし三日三晩どころか、たった一日しか鍛錬を積んでいない僕の動きでは、全て躱す事なんて、どだい不可能だ。
だからこそ師匠は、機動力が格段に上がる『飛行魔法』たる風の基礎魔法の修得を優先した。
無詠唱の風魔法で、自分の体を僅かに浮かばせる。
制御が難しいため、まだそこまで高くは飛べないが、今でも、やろうと思えば身長の二倍は行けるだろう。
ドラゴンが前足をサッと出し、僕を掴もうとしたが、咄嗟に高度を上げ、ギリギリで躱せた。
今のは危なかった……。
さて、ドラゴンはなかなか隙を見せない。
空中に居る僕を見上げているが、初撃をモロに喰らったからか、警戒しているのを感じる。
持久戦となると、体力のない僕に不利になってしまうが……。
いきなりドラゴンの横側から、大小さまざまの、大量の石が飛んできた。
中には結構大きめの、岩とも言えるようなものまであったが、何故かドラゴンは痛がる様子はない。
だが、注意を逸らされたドラゴンは、石の飛んできた方に目を向けている。
「今だ!」
同じく状況を飲み込めていなかった僕だったが、師匠の声がして我に戻り、再び巡ってきたチャンスを逃さまいと、急いでドラゴンの首元を斬り付けた。
「―――ア゙ァァ!」
声にならない叫びを上げてドラゴンは狼狽え、僕は追撃に行く。
900文字/時間くらい。
連休だからと怠けていたらすっかり失念していました…。




