表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームの世界は好きだけど転移したいなんて言ってない!  作者: For-rest-one
第一章 悪炎竜『マローガドラコ』
25/285

スライムって何だっけ?

 魔法陣から湧き出た緑色の液体は、独りでに一箇所へと流れ込み、ビーチボールが潰れたような大きさと形になった。

 それは先程までのドロドロの様子とは打って変わって、膜でも張ったかのように纏まりがあり、プルプルと弾力があるかの様だ。

 しかもよく見ると、向こう側の地面が少し見える程度に透き通っていて、まるでゼリーの様だった。

 しかし、それっきりその物体は殆ど動かない。

 魔石陣(ペブルサークル)の上に、ただ、()()()()しているだけだ。

 倒せと言われても……、これ、モンスターなのか?


「師匠……、これは?」


 ところが、僕が声を発するや否や、緑の物体は蠢き出し、突如僕の方へと、勢いよく飛び掛って来た。

 驚いて咄嗟に剣を前に出してしまったが、物体は刀身を空中で躱し、そのまま僕の片腕に接触して来た。


「な、なんだ……? って、痛っ!」


 物体がくっ付いている辺りの肌にピリピリと、鋭い痛みが走る。

 まるで酸でも掛けられたかのように皮膚が熱い……、掛けられたことないけど。


 慌てて腕を振り回すと、物体は大方振り落とせたが、皮膚の表面には成分が残っているのか、痛みは続いている。


「おいおい、何やってんだ。 スライム如きに()()()()()()たら、ドラゴンなんて夢のまた夢だぞ」


 スライム……、スライム?

 僕が先ず連想したのは、液状の()()だ。

 一時期流行になって、ご家庭で自作! なんてこともあったが、今みたいに人体に害をなすような危ないものだったか?

 いやいや、こっちのは明らかに敵意を持って襲いかかって来た。

 そんなものをご家庭で自作しようものなら大惨事だ。


 辻褄が合わないことに気づき、ようやく僕はもう一つの”スライム”を思い出す。


 ああ、()()()()()()()()か!

 RPGやなんかでは、常日頃から最弱の敵として親しまれているあのスライムだ。

 ゲームによっては、再生能力が高く、集まって巨大化したりと、難敵として現れることもあるのだが、それでもあのプルプルしたフォームも相まって弱いイメージが拭えないのだ。

 あれ、そしたら僕、そんなスライムに正面から打ち負けたのか……?


「何突っ立ってんだ? 時間もねえ、さっさとぶちのめせ!」


 そうだった、ショックを受けている場合ではない。

 どの道、僕はこの後ドラゴンと戦うことになるのだから。


 それにしても、確か条件とやらは、『魔法を使わずに十体討伐』だったか?

 これは……、骨が折れそうだ。

 なんたってスライムは、数多くの作品で物理攻撃が有効打になり得ない。

 つまり、それほど打たれ強いのだ。 奴らの弾力と粘度は伊達じゃない。

 といってもそれは、あくまでゲームの話だ。 ……多分。

 実際やって見たら、案外『スパッ』と行くかもしれないしな。

 如何(いかん)せん、僕の剣も、切れ味だけは半端では無いのだ。

 (くだん)のスライムは、今にも此方に飛び掛ってきそうだ。

 さっきは驚いて不意を取ったが、今度は当ててみせる――。



 それから五、六分は経ったと思う。

 楽観視して剣を握ったが、しかし嫌な予感は的中して、スライム相手に全く歯が立たない。

 格好つけて『今度は当ててみせる――(キリッ)』とか心の中で呟いたまでは()()のだが、そもそもスライムに剣が通らない。


 さすが粘体と言うべきか、空中で華麗に身をよじるせいで、剣筋を巧みに躱されてしまう。

 稀にど真ん中に来れば、辛うじて刀身は当たるのだが、持ち前の弾力で『ポヨン』と受け流されてしまう。


 正直、お手上げだ。

 もはや意志の強さだとか切れ味だとか関係ないと思う。

 魔法さえ使えたら、燃やすなり凍らすなり()()()()はあっただろうが……。


「師匠、ダメです……、こいつ、軟らかすぎる……」


 何度剣を振るっても(ことごと)く回避され続け、情けなくも、弱音を吐いてしまう。

 それ程までに疲れてしまった。 特に心が。

 僕がそう言うと、師匠は溜め息を一つついて口を開いた。


「ったく、情けねえなぁ。 もし自分で気付けたら戦闘センス抜群ってとこだったんだがな」


 気付く? 何を言っているんだ?

文字数の割に展開が遅い……!


《時間が有りましたら、感想や評価等頂けるととても嬉しいです!》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ