結構な決行
地下で話し合うこと十数分。
シェルター内で、ある結論が下された。
「じゃあ、今言った作戦で行きましょう」
僕たちは、一つの作戦を練り上げた。
立案者は、僕ということに一応なっている。
細部の動きや担当をダリアが決めて、街の地理などはアスピダとソフィアに頼った。
「はい。 ……でも、本当に上手く行きますかね?」
不安そうな声を上げるアスピダ。
正直、その確証は無い。
敵が未知数な以上、"絶対"という言葉は有り得ない。
ただ、ここに留まり続けるリスクと天秤に掛けたとき、自ら解決に動く方がまだマシというだけのこと。
「考えたってしょうがないわ。 ほら、行きましょう、アスピダ姉」
ソフィアはアスピダの手を掴み、シェルターの出口へと向かう。
僕とダリアも、そのすぐ後ろに並んだ。
扉に手を掛けた二人の後ろ姿に、僕は声を掛ける。
「二人とも、また無事に会いましょう」
頷くアスピダ。 不敵な笑みを見せるソフィア。
「ええ、あんたたちも気を付けなさい。 それじゃあ――」
扉を勢いよく開け、そのまま飛び出して走る去る二人。
間髪入れず僕たちも地上に出て、二人とは別の方向、大通りへの移動を始める。
作戦はこうだ。
まず、アスピダとソフィアの二人には、街の中心方向にあったギルドへ向かってもらい、道中で住人に避難を呼び掛ける。
その後、戦える人たちを連れて、僕らに合流する手筈だ。
その間、僕たちはダリアの魔力感知に従い、二人に教わった裏道を通って大通りに出る。
そこで敵の偵察を行い、状況に応じて足止めや住人の救助に動く。
本当は、戦闘スタイルの相性とか、地理的な問題を考えると、僕とダリアは別行動の方が良い気もするが……、足の速さや隠密性を考慮した結果こうなったらしい。
当然ながら最善は、全員合流してから交戦すること。
僕たちはあくまで斥候。 勝算の小さい戦いはなるべく避けたいところだ。
などと考えながら、夕日に染まる裏道を駆けていると、遠い建物の間に、街灯の明かりが見えてきた。
「残り100メートル。 ……そろそろみたいですね」
ダリアの言葉に、気を引き締め直した。




