意味するところ
「いいですか? 僕のタイミングで開けますよ」
その言葉に三人から合図が返される。
僕の渾身のフリが拾われることは無かったが、その代わり全員で地上に出てみることになった。
一人で様子を窺うのとどちらが安全とも言い切れないため、それはまあいい。
ただ、地上に有害物質が蔓延とかだと困るので、念の為、三人にはシェルターの隅に寄ってもらっている。
これで全滅の可能性は減る……はずだ。
「じゃあ、行きます」
錠を解除し、扉に手を掛ける。
ゆっくりと前に押し出すと、暗闇に慣れた目には刺激の強い光が差し込み、少しずつシェルターに染み込んで行く。
目を細めて視界が戻るのを待った後、隙間から覗き込むように外の様子を確認した。
「近くに異常は……、無いみたいです」
後ろの三人に報告するように、僕が見える風景を伝える。
できるだけ周囲を見渡してみるが、火柱や煙などは無いし、空に魔法陣なんかも浮いてない。
試しに外の空気を微量だけ吸い込んでみたが、嗅覚は異常を訴えず、意識もはっきりしている。
「どうしましょう、一度外に出てみますか?」
そう言って振り返ると、目を細めるアスピダとソフィアの間に、じっとこちらを見詰めるダリアが目に入った。
「えっと……? どうしました?」
その視線の意味が分からない僕は、次の言葉を予想できなかった。
「……魔素飽和です」
え?
それは聞き慣れた言葉。
この世界に来てから、飽きるほど聞いてきた。
しかし、今までと一つ大きな違いがある。
"ここは、ダンジョンではない"。




