深淵の瑠璃 #2
「…………。」
今、僕たちはラピスちゃんの部屋にいる。
数十分前、ラピスちゃんはこう言った。
『みんな、ありがとう。来てくれて、ありがとう』
『だけど来ないで。もう来ないで。』
………十数分、僕たちは、ラピスちゃんを説得しようとしたが――――
…確固たる決心を抱えた彼女に。
僕たちはもう、何もいうことはできなかった。
それで、遺品整理だ。
彼女の本、書類、道具などを整理し、片付けたり、廃棄したりする。
「ん……スフィアちゃん、これなんだろう?」
僕が取り出したのは、一冊の本。
本というよりかは、ノート。
「あ…それ、日記かな。」
一緒に作業をしているスフィアちゃんは、そう答えた。
“Kiraboshi Diary Ⅳ”。
「……4冊目?」
えーっと、確かラピスちゃんは……
……ああ、思い出すだけでも辛い。
元気な彼女を、もう思い出すだけで辛い。
彼女はもう…ここにはいない。
「ラピスが生まれたのが確か3年前…アパートを建てたのが2年前。それから日記をつけて…あれ?」
この日記は4月1日スタートだった。
もう2冊、日記が出てきた。
ⅡとⅢとⅣ。
2年前の4月1日~2年前の3月31日がⅡ。
1年前の4月1日~1年前の3月31日がⅢ。
今年の3月31日~がⅣ。
「え、あれ…?」
「………Ⅰがない………」
………Ⅱの日記を開いた。
“
**-¥年4月1日
昨日、煌星荘が完成した。これからじっくり、街を探すなどして、宝石精霊を勧誘したい。
日記が4月1日スタートからのものしかなかったので、今日から日記をつけ始める。
初めての日記なので不慣れ……。
”
「「………え?」」
おかしい。
初めての日記…なのにⅡ。
「…………どうして…?」僕はそう言った。
「Ⅰはどこに……?」
部屋を探した、けれどない。
どこにもない。
「……?」
「……ね、最近のやつはどうだろう……」
Ⅳを開いた。
一番最後の日記。
“**-*年11月16日
アリアという人物と共鳴で話した。
みんなも一緒に話していたみたい。
どうして複数人と同時に共鳴で話ができたんだろう?
宝石精霊の真実(なんで宝石精霊が普通の人間と違うのか、とか)と関係しているのかな。
もう12時。流石にそろそろ寝ないと. .. .
”
…日記はそこで途絶えていた。




