月の涙 #14
「よし、ちゃっちゃと終わらせるわよ。」
随分饒舌に喋るようになったね…ルビアさん…
「共鳴ってったって…どうしたらいいんだよ。」
ホープは困惑している。
…そりゃそうだ。どうやるのかな…?
「祈る。強い思いを込めて祈る感じだよ。」
「い、祈る…?」
「あ、それから…共鳴ってね、声で会話するんじゃなくて、心で会話するの。口に出しても意味がないんだよ。」
心で会話する。…なんか、よくわからないシステムだ…。
「はあ…心で…うーん、祈る…うーん…」
「こう…電話が繋がってほしい…みたいな感情で大体いける、と思うわ、」
「そんなもんなの…?」
「……………あっ」
いけたんかい!
――――――――――――
ホープ「クリミア!」
クリミア「えっ!?な、なんでしょう…?声が響く…」
ホープ「俺だ!ホープ!」
クリミア「えっ?え、えっ?ホープさん!?な、なん、どうしてですか!?この近くにいらっしゃるのですか?!」
ホープ「あ、いやそうじゃなくて…えーっと、今、共鳴っていうのをしてる。」
クリミア「共鳴…?え、えっと…それってなんでしょうか…?」
ホープ「あー…えっと、宝石精霊は…どうやって誤魔化すか…ああ、もういいや…宝石精霊は、心を通わせた相手とこうして会話とかができるらしい…よ。」
クリミア「え…心を通わせた…って、え…?そ、それって!」
ホープ「…ごめん、一旦これは後で…。うん、うん。…はずかしいし…」
クリミア「…と、とにかく!えっと、今そちらはどうなっているのでしょう…?」
ホープ「あ、えっと…今は、ロベルト国王の側近…スピネルの宝石精霊なんだけど、そいつとかに協力してもらってる。信頼できる…と思う。たぶん。そっちのこと、大体のことは把握してるんだけど…一応、そっちで何が起きてるか教えて。ロベルト国に囚われてるんだよね?」
クリミア「スピネル…宝石精霊…協力…。なるほど、なんとなくですが…わかりました。こちらは…オリヴィアさん…あ、ムーンストーンの宝石精霊に、その…同棲を提案されまして。」
ホープ「は?」
クリミア「同居…?」
ホープ「あ、ああ、うん……うん?」
クリミア「そ、それで…受けました…」
ホープ「はああああああああ!?」
――――――――――――
「はああああああああ!?」
と、心で会話をしていたはずのホープが叫ぶ。
…あまりに何か驚くことがあったのだろう。
「うわあああああ!?ホープ!?ど、どうしたのだ!?悪の波動…」
「ちょっと静かにしててねラピス!」
とりあえず混乱したラピスを止める。
――――――――――――
ホープ「…同居を受けたって!?それって、ロベルトに住むってこと!?」
クリミア「は、はい…そうなります…。ごめんなさい。いろいろ、考えた末に決めました。勝手に決めてごめんなさい…それから、皆さんに、お世話になりましたと伝え…」
ホープ「馬鹿かお前はあああああ!住む!?そうじゃなくて!!どうにかして、そっから脱出する!そいつも連れて来たいなら連れてきて!それで…」
クリミア「……………」
ホープ「…その、俺…ああもう!クリミア!どうにかして抜け出せ!俺は、お前に、
もう一度会いたいんだよ!!!!いや、一度じゃなく、何回でも!毎日でも!!」
――――――――――――
「もう一度会いたいんだよ!!!!いや、一度じゃなく、何回でも!毎日でも!!」
またホープが叫んだ。
…何叫んでんの!?
「ホープ!?おちおちおちついておち」
「ベルー!落ち着いて!!」
「…こういうこともしばしば起きるのよ…」
――――――――――――
クリミア「……………」
ホープ「…クリミア?」
クリミア「…あ、頭がぐわんぐわんして…ちょ、ちょっと、待ってください…」
ホープ「あ、ごめん…」
クリミア「…そ、その…あ、ありがとうございます…」
ホープ「…それで、どうするんだよ…住むの…?」
クリミア「…いえ。」
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*ペア side
「脱出します。」
と、クリミアは…声に出して、そう言った。
まあもちろん、僕らの方は混乱している。
なにせ、いきなりクリミアが頭を抱え出し、顔を真っ赤にしているのだ。
「クリミアさん!?ど、どうしちゃったんでしょう…?」
「ううーん…オリヴィアちゃん、後でクリミアにいろいろ聞こう…」
「…頭おかしくなっちゃったのかな…?」
「多分違うと思うよアメストくん」




