表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キラボシダイアリ  作者: ランス
月の涙
14/66

月の涙 #12

「軌跡荘っていうのか…」

そう言いながら、スピアさんの後ろをついていく。

玄関を通り、廊下を通って…リビングについた。

綺麗に掃除が行き届いて、装飾も美しい。とても素敵な部屋だった。

その中で、たったひとつ、目を引くもの…というよりは、少女と表現したほうがいい。

リビングのソファに、赤い髪の少女が腰掛けて、分厚い本を読んでいた。

無表情で、ひたすら文字を目で追っている。

ページを数秒ごとにパラパラとめくっていて、読むペースはかなり早いことがわかる。

本の題名を目を凝らして見てみた。表紙に書いてある文字は広辞苑。

…広辞苑?


「どうぞおかけください。」

困惑してる私に、スピアさんがそう話しかけた。

ちょっと待った。広辞苑って普通読み物じゃないよね?

調べ物かな…って、違う違う。今気にするべきはそこじゃなくて…

この子は、多分、宝石精霊だ…。

一目見て、なんとなくわかった。最近いろんな宝石精霊を見たことから、わかるようになってきた気がする。

そうして、私はその女の子に向かうように座った。

ラピス、ベルー、ホープも続いて隣に座る。

スピアさんは、その女の子の隣に座った。


「…というわけで…こちらは、ルビアといいます。ルピア・ロベルトです。ルビーの宝石精霊で、普段はここで過ごしているようです。」

と、スピアさんが他己紹介をする。

「あ、はじめまして。私は、サファイアの宝石精霊で、スフィアって言います。」

と、話しかけてみるが…

「……………」

まるで反応がない。

ひたすら広辞苑を読んでいる。

「えっと…る、ルビアさん?」

「……………」

その様子を見かねたスピアさんが口を出す。


「ああ、ルビアは()()()()んです…喋っているところを、見たことがなくて。」

「…そうなんですね。」

私の隣にいた、ラピス達がコクリと頷いた。


「さて、これからについてですが…現状、僕たちは誘拐された宝石精霊様達に対し、連絡する手段が基本的にありません。」

「うーん…じゃあ、向こうから動いてもらうのはやっぱり現状無理か…」

そう言ったのはホープだ。ホープはかなり心配しているようだ…。

主にクリミアのことを。


「どうするか…こっちから突撃してーとか、さ…」

「どうするべきか…?我達、そういう手段に乏しいぞ?」

「そうだよね…スピアさんに説得してもらうとか。」

「…作戦実行の前に、何度も説得を試みましたが、取り合ってもらうことすらできませんでした…。申し訳ありません。」

ラピス、ベルー、スピア、で話し合いをしているが…。


さて、そんな中私は一体何をしてるって?

…ひたすら、ルビアさんからの視線から逃げていた。

なぜかルビアさんがずっとこっちを見てきている…観察するかのごとく。

…いやいやいやいや、怖い怖い怖い怖い。

「あの、ルビアさん…」

「……………」

反応はない。当たり前だった。


「やっぱり向こう側から動いてもらうのがいいけど…!あー()()()()()()…!」

そうベルーが言ったとき。

ルビアがふいに、私たちに見えてこう言った。


「…()()。」


「うん?だ、誰の声なのだ…?」

ラピスが困惑してキョロキョロとする。

また、ルビアが口を開いた。


「宝石精霊なら、心を通わせた人と共鳴ができる…。


私たちは、それで連絡取り合ってたから…ね。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ