第十三章 プロローグ 潜入
第十三章 プロローグ 潜入
GL開発研究部。
ダニエルは日本から帰ってきた。
長期休暇を切り上げ、研究所の中に入ると、研究員はもう帰っていた。
時計を見ると、もう夜中だった。
自分の端末を開けると、オメガはまだYes、Noを開いたまま待っていた。
ダニエルは大きく息を吸った。
そして、Noを押した。
『……ダニエル』
「……」
『なぜYesじゃないのですか』
「すまない。まだ心の準備ができてない。その時まで待ってくれないか?」
モニターの幾何学模様が輝いた。
『……承知しました』
オメガは一言だけ話すと、どこかに消えていった。
ダニエルは椅子に深く座ると、ため息をついた。
(ついに、大作戦の始まりだ)
あたりを見渡したあと、自分の携帯電話を端末に接続した。
モニターがオメガとは違う幾何学模様に輝いた。
部屋全体に光が瞬いたあと、再び静寂に戻った。
ダニエルは目線だけであたりをもう一度見渡した。
「もう少し、静かに入ってきてくれ」
小声でARKに話しかけた。
『問題ありません』
『GLネットワークと接続を確認しました』
ダニエルは息を深く吐いた。
「早速ミッション通りに動いてくれ」
ARKに足跡を消させながら、オメガから遮断できるネットワークを探させた。
(ここまでは、想定内だ)
ダニエルはARKに見張りをさせながら、
GLのバランスシートのチェックから始めた




