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弱小ショタなのでビキニアーマーを嫁にした  作者: ろーくん
第七章:獣者と毛物

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第99話 生産者を育てます



 ――――――数日後、僕の離宮。



「お初にお目にかかります、殿下。ナークと申します」

「お初にお目にかかります、殿下。オーレディと申します」

「お初にお目にかかります、殿下。ジョンと申します」


「今回は僕のお願いを聞いていただきありがとうございます。よく来てくださいました。三方、顔を上げてください」

 彼らはマクスムル家が寄越してくれた “ その道 ”(農産業) のプロ。


 僕が頼れるところは少ない。その中で今回、頼ったのが別のハーレム―――つまり、宰相の兄上様の(・・・・)お嫁さんたち(義理の姉)だった。



「(以前、兄上様に夜のコツをお教えしたのが、まさかこんなところで生きて来るなんて思わなかったけど)」

 (※「第23話 別後宮の安寧に貢献したのです」参照)


 兄上様(次男)のお嫁さん達とは交流もあるし、僕に対して好意的だから協力してくれるとは思っていた。

 けど正直なところ貴族達相手よりはマシといっても、彼女達にもあまり貸し借りは作らない方がいいので、どうお話を持ってくべきか悩んだ。


 ところがいざ4人を訪ねてみると、意外なほどアッサリとことが運んだんだ。


「(どうやら兄上様に伝授した、アレの時は動くやり方は、僕が思っていたよりも喜んでもらえてるっぽい)」

 しかも、それを教えたのが僕だってことが伝わったみたいで、知らない間に4夫人から感謝されてた。



「(それでワルハワード家(第三夫人家)も前の戦いの時、僕に戦力を出してくれたのか)」

 ’(※「第64話 ビキニアーマーのいない初陣です」参照)


 冷静になって考えてみると、夜の営みが活発になるってことは、嫁に出した自分のとこの娘が、当代王家の次男である兄上様の子供を身籠る可能性が高くなるってことでもある。

 僕達三兄弟は王室直系。だからその血を引く子供は、次代の王様になる可能性が多かれ少なかれ出てくる、いわゆる継承権持ちの王家血筋だ。

 当の兄上様のお嫁さん達同士も仲は良いけど、やっぱり子供は1番最初に身籠りたいって、みんな思ってるはず。


 ……僕が教えた簡単な夫婦の営みのコツは、想像以上に価値があったわけだ。




 そして今回、僕を助けてくれたのはハイレーナ=ケイ=マクスムル宰相妃第二夫人。


『作物の栽培でしたら、当家に打ってつけの人材がおりますわ』


 ハイレーナさんは、スラッとしたスタイルで美人なハーフエルフ。もともとマクスムル家がハーフエルフの家系で、魔物に滅ぼされた国から落ち伸びてきた一族だ。


 ハイレーナさんも当初は慣れない他国の王室に入ったせいか、僕に対してちょっと冷たい感じだったんだけど、だんだんと打ち解けて今じゃかなり仲良くなってる。


 気位は高そうだけど、堂々としてて頼もしいお姉さんって感じ。


「(たまーに僕を見ながら、顔を崩してハァハァ言ってるような気がするけど……気のせいだよね、たぶん?)」

 とにかく、そのハイレーナさんが実家のマクスムル家に打診して、寄越してくれたのがこの3人というわけだ。



―――まずはナークさん。

 壮年の、いかにも長年農業をやってきたベテラン感ある男性だ。


「つまり、綿花の土壌にはライムストーン(石灰岩)粉を適度に混ぜるのが育成のポイントとなるんだ」

 いわゆる座学。獣人さん達に綿花を育成するための注意点やポイントを講義してくれてる。


「(これは……石灰を土壌に与えるっていう話かな?)」



―――次にオーレディさん。

 ハーフエルフの女性で、ハイレーナさんに比べるとちょっぴりあか抜けてない感じだけど、十分に美少女。

 背の低さもあって、なんか中学校のマドンナな印象だ。


「簡単な魔法で普段使いには適しませんが、こうやって用いれば畑を害虫から守りつつ、過度な日光を遮ることが可能です。繊維が日光で変色してしまう危険が出てきたら有効ですよ」

 実演込みでの、魔法を利用した技術的なお話。


「(そっか。戦闘とかだと即応性がなくてキツいけど、緊急性が求められない場とかなら、この世界の魔法も使い方次第で……)」

 


―――そしてジョンさん。一番年配の男性で、あごヒゲすごい。小さな丸メガネの向こうににこやかな顔がある。


 そしてその手元では、収穫の際の手つきを実際にやって見せてるんだけど、目で追うのがやっとの速さなのに、流麗で無駄が全然ない動きをしてる。


 見てる獣人さん達も唖然としてた。


「素早く、潰さず、余計なモンを引っかけず、ササッとだ。まぁこの辺は上手くなるまで慣れが必要だから最初のうちはゆっくりでいい。それよりも、いい綿花の状態を見分けることの方が、あんたらには重要だぁな。まずは目利きをしっかりと鍛えるこった」

 そう言うと、サンプルとして持ち込んだ3本の綿花の枝から、ささったと5つの綿を取って彼らの前に並べる。まるでカクテルをカウンターの上を滑らせてサーブ(給仕)する腕利きバーマスターのようで、不思議なカッコよさがあった。


 一見どれも真っ白で状態良さげに見えるけど違いがあるらしい。獣人さん達はそれぞれ、目を凝らしながら一生懸命に見比べていた。



  ・


  ・


  ・


 講習は1週間毎日続いた。さすがにマクスムル家も、自分のところのその道のプロを、完全に貸し出してしまうわけにはいかない。

 なので、こちらの獣人さん達にノウハウを叩き込んでもらう事にしたわけだ。


「(これでとりあえずの人材は確保、っと。コロック氏にも一大産地になりそうな場所を探してもらってるし、綿花は何とか始められそうだ)」

 産業が出来れば税収も増える。そうすればルクートヴァーリング全体の行政にも回せる予算が増えるはずだ。


 まずは着実に僕の領地を潤わせて、色々と回していくぞっ!


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