第二章 第六十一話 買物~旅行の準備と恋愛と~☆
お待たせしました!
「じゃあみんなで買い物に行こう!」
グランとフレッドリックはスタンピード前に請けていたゴブリン殲滅の特殊依頼をクリアし、街へと帰ってきた。
その後先に買い物に戻っていたティナ達女性陣と、近衛騎士団の訓練に参加していたアレグサンダーと偶然合流し、一緒に買い物に来ていた。
***
「ねえねえグラン!どうかな?似合ってる?」
そこには陶器のような白い肌を惜しみなくさらけ出し淡い黄色のビキニを身にまとったティナがいた。
胸元にはフリルがあしらわれており、腰にはパレオを巻いているその姿は神々しさを醸し出し、後光が差しているようだった。
「テ、ティナ!?」
服の試着に付き合っていたグランは突然ティナがそんな姿で出てきたため、動揺を隠しきれていなかった。
「どーお?似合ってる?」
「とても似合ってるよ……///色合いやデザインがティナの雰囲気とマッチしててかわいいよ!」
「あーっ!グラン照れてる!かわい〜♡」
「そういうティナだって顔が真っ赤じゃないか」
「ふえっ!?そ、そんなことないよぅ……///」
現在一行は商店街を歩いていた。
フレッドリック曰くここは王都一番の商店街で、ここに来れば大抵のものは揃えることができるといわれているとのこと。
全長およそ3キロにも及ぶ商店街は、学園が位置する貴族街から少し離れた平民街に位置する。
平民街にあるとはいえ、その品ぞろえから貴族もたまにお忍びで来るのだとか。
そんな商店街に到着した一行はそれぞれ別行動をとるようになった。
グランとティナ、ナミアは衣服を、エリザベートとカノン、シャミア、サリーネは魔道具を、それぞれ探しに行った。
ちなみにフレッドリックとアレグサンダーは何を感じ取ったのか、早々に別行動をとるべく武器屋に行ってしまった。
武器屋ならば自分もと追いかけようとしたグランは、笑顔の二人に捕まった。
要するにグランは生贄として女性陣に捧げられたのだ。
否、考え方によっては美少女たちの美しい姿が見られるのだからご褒美とも言えるかもしれない。
しかし、女性の買い物、特に衣類は長く体力を使う場合が多い。
グランは体力もスタミナもそこそこあるし大丈夫だろうと踏んでいたが、それは間違いだったみたいだ。
「ごめん……ちょっと休憩しよう。そこのカフェに入らない?」
「そうね、ちょっと喉も乾いてきたし、賛成よ!」
「エ、エリー!?どうしてここに!?」
***
~エリザベートside~
カノン、シャミア、サリーネと一緒に魔道具を見に行くことになった私は、少しもやもやしていた。
だってグランはてっきり武器屋に行くものだと思ってたのに、なぜかナミちゃんとティナと三人でお洋服を見に行ってるんですもの。
幸いほかの三人はこのことに気づいていないようだから、買い忘れでもあったことにしてあっちに合流しようかしら?
私がそんなことを考えているとナミちゃんからチャットが入った。
『エリー助けて!またグランとティナが二人の空気を作っててつらい(´;ω;`)』
『きっと私にも声をかけなかった罰ね。諦めて受け入れなさい』
『そんなぁ.……でもエリーにもきっと被害は来るよ』
『どういうこと?』
『だってこのまま何もできずに学園を卒業したら、グランは誠実な人だからハーレムなんて絶対に認めないだろうし、ティナだけお嫁さんにもらわれて終わりだよ?』
『そのためにシャミアとサリーネと私たちの4人で手を組んだんでしょ?』
『でも陽翔は前世から意外と頑固なところあるし、康太さんからの圧力があったとしても、あの人ももともとは日本人だから倫理観は一緒だと思うんだ』
『何が言いたいの?』
『今の計画だとグランの地位を上げて、一夫多妻をグランの常識にしちゃおうって話だったじゃん?』
『そうね。でもそれが今の話と何の関係が?』
『私気が付いちゃったんだ……グランにはもうその地位があるって』
『!!!』
『グランってすでに最年少でSSSランクの冒険者でしょ?しかも神様たちの御加護があって、SSSなんて枠じゃもう収まりきらないと思うの。そんなグランにこの国にとどまる意味があるかな』
『じゃ、じゃあグランはこの国を出て、人知れずいなくなっちゃうってこと……?』
『あんまり追い込みすぎて強要しちゃうとそうなっちゃうかもって思ったの。だから爵位を上げさせるのもそうだけど、もっと私たちのことも好きになってもらわなくちゃ!』
『それもそうね……。ごめんね、さっきは拗ねて。そして私も混ぜてください!』
『その言葉が聞きたかったんだよ!じゃあ早速こっちのほうにきて!』
『了解!』
***
さすが幼馴染といったところで、実際この時のナミアの予想は正しかった。
グランはナミアやエリザベートの二人をただの幼馴染としか思っておらず、二人が強引にハーレムルートへと引き込もうとしていたら、気まずく感じて全力で能力を使い身を隠すことも辞さなかっただろう。
それほどグランという漢はティナ一筋なのであった。
また前世の記憶を持ち、日本人として生活していた時の倫理観が抜けきっていないところもあるだろう。
ナミアとエリザベートはチャットを終了し、それぞれの行動に移った。
実はナミアとエリザベートのスマホには、以前街で襲われかけた時にグランが新しく追加した機能があった。
それは連絡先を登録してある人のもとへと繋がるゲートを生み出す機能だ。
グランの時空魔法を付与することによって、実装された機能で非常に便利といえるが一回の魔力消費量が多く、とても燃費が悪い。
しかしナミアとエリザベートには神々からの加護が、ティナにはグランが作成した魔力を効率よく空気中から回収できる魔力回収機や、グランが定期的に余剰魔力を溜めこんだ魔力タンクがあるため実用できていた。
魔力回収機、魔力タンクは、現在カノン・ティナ・ナミア・エリザベートが所持しており、使い勝手などを見るために試験的に運用している。
またゲートの魔法に関しては、現在試験的にグラン・ティナ・ナミア・エリザベートの四名のスマホに実装されている。
ゲートを使い、ナミアのもとへと移動したエリザベートはグランを驚かせるべく歩き出した。
***
~グランside~
エリザベートが加わり、4人になったグラン達は休憩を挟むべく、近くのカフェへと歩き出した。
ティナやナミアの買い物に付き合っていたグランは完全に疲れ果て、周囲の探索をおろそかにしていたため、エリザベートの接近に気づくことができなかった。
(完全に気を抜いていたな……。エリーだったからよかったものの、害意を持った人間だったら大変なことになっていただろうし……次回からは気をつけなくちゃ!)
「いやー久々にグランの驚いてる顔が見れて満足だよ♪」
「いつものグランならすぐに気づくはずなのに珍しいわね……。どこか具合でも悪い?」
「ちょっと疲れてただけだから大丈夫だよ」
「グランに何かあったらみんなが悲しむんだからね?無理しないでいつでも頼ってくれていいんだよ?」
「ありがとうティナ」
そうこう話しているうちに目的地へとたどり着いた一行はカフェで休憩を挟み、買い物を再開するのであった。
果たしてナミア、エリザベート、シャミア、サリーネの恋は実るのか?乞うご期待!
ちなみに現在のグランの好感度はティナ(100%)→ナミア(90%)・エリザベート(90%)→→シャミア(75%)・サリーネ(75%)の順番ぐらいです。ティナには婚約者として、ナミア・エリザベートには幼馴染として、シャミア・サリーネは友人として、それぞれのベクトルがあります。果たしてそれが変わる日は来るのか!?次回へつづく……?
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