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セツナの「本当の最期」・・・。「愛しているから守った」のだと。

またまた、続きです。

「ユイ・・・ト・・・・・・?その姿・・・お前・・・。

じゃあ・・・結兎は・・・。「同じ」だと・・・言うのか・・・?」


キリは目を大きく見開いて聞き返していた・・・。


「俺は・・・貴方の「娘」だった・・・。確かに・・・。

そして・・・今は・・・「本郷結兎」として・・・。

地球に・・・普通の一般人の男として・・・

「父さん」と「母さん」の間に生まれた・・・。

だから・・・。俺は「俺」なんだ・・・。おかあさん・・・。」


リクはその様子を見て一瞬安堵したのちに、キリに向かって

「お姉様・・・!お話はあとですわ!!!まず、目の前の

・・・この・・・哀れな敵から・・・始末せねば・・・!!」


苦々しい口調で老婆を睨み付けて言った。


「フォフォフォ・・・。「哀れ」じゃと・・・・・?

・・・・・・・ぬかせ!!!この薄汚い雌兎めが!!!」


老婆は片手に持っていた杖を高く持ち上げて大きく振り下ろした。


辺り一面に突風が吹き、皆一同が目を瞑ったのちに、見えたものは・・・。


「セツナ」の姿だった・・・・・・・・・。


「セツ・・・ナ・・・・・・・。何故・・・・・・。お前が・・・。」

キリは驚愕の余り言葉を失いかける・・・。恐怖心と悲しみが襲い掛かってくるようだった。


「助けてくれよぉ・・・・・。キリィ・・・・・・。お前なら・・・・。

助けてくれるよなぁ・・・・・?俺を・・・・・助けて・・・・くれるよなぁ・・・?」

哀れな目で助けを乞う彼の姿は弱々しく映り、皆が静まり返っていた・・・。


セツナは力なく座り込んだ姿勢のまま顔を情けなそうに上げてキリに

「助け」を求めている・・・・・・・。


「セツナ・・・・・・・・。セツ・・・・・ナ・・・・・・・・。」

キリは涙が抑えられなかった・・・。

思わず手を伸ばしそうになった瞬間・・・。


「やめろ!!!もういいんだ!!いい筈だったろう!!!」

アキトが声を上げて怒鳴りつけた。


その声に気づかされるように立ち止まるキリ・・・。


「もう・・・。「こだわり」は捨てろ!!!

それは「愛」ではない!!ただの君の中の「こだわり」だ!!

・・・それは・・・もう・・・「未練」でしかないんだ・・・!!!」


前を向いたまま佇むキリは哀しい後ろ姿だった・・・。

「悲哀」に満ちた・・・哀しい女の後ろ姿だった・・・。


「・・・セツナ・・・。悪いな・・・。私はもう・・・。

お前の事を・・・「庇う」ことは・・・許されないんだ・・・。もう。

「あの時」とは「違う」んだ・・・・・!!!だから・・・もう・・・!」


言葉に詰まり、それ以上彼に何も言えないでいる彼女・・・。


「罪から・・・解き放たれていいのは・・・「貴方」もですわ・・・。

セツナ・・・・・・・・・・。」

リクが横から口をはさむ様に切り出した・・・。


「リク・・・・・・・?」


セツナは哀しみの顔でリクの方も見た・・・。


「もう・・・此処で・・・「朽ち果てて」くださいませ・・・。」


リクは持っていた鈍い色の大きな刀でセツナを切りつけた・・・。


「・・・リク・・・?!!」

驚くキリの肩を掴むアキト・・・。

「あれは・・・違う!!本物じゃあない・・・。

ただの・・・幻影だったんだ・・・・・・・。」


セツナの幻影は霞んで消えていく瞬間にようやく解放されたかのような

笑みで・・・静かにキリに語り掛けた・・・。


「・・・ありがとう・・・キリ・・・・・。俺を・・・・。

愛してくれて・・・・・・。それだけが・・・・・救いだった・・・・・。


愛していたよ・・・・・・・・・・・。キリ・・・・・・・・・・・。」


その後、瞬く間に消えて霧の様に消えて「消滅」したセツナの魂・・・。


崩れ落ちる様にその場に倒れ込むキリは・・・泣いていた・・・。


「う・・・・・うっ・・・・・・う・・・・・。・・・・・っ・・・。」

嗚咽を小さく漏らす彼女の姿を見てアキトは何も言えないでいる。


そして、リクはそんなキリの前に立ち、

「お姉様・・・。ごめんなさいね・・・・・?」


「パアンッ!!!」


一瞬の出来事だった・・・。

彼女は姉のキリの頬を平手打ちした・・・。


キリは動けもしないまま・・・止まる様に固まっていた・・・。


「これが・・・。私があなたに「与えた罰」ですわ・・・。

だから・・・もう・・・貴方は・・・これ以上は・・・もう・・・・。

いいんですのよ・・・?もう・・・・・。私が後を片付けますわ・・・。」


「・・・・・・リク・・・・・・・・。」


立ち上がるリクの姿を目で追うキリ・・・・・。


「全てが「許される」なんて・・・甘いことは言いませんわ・・・。

私は怒ってもいるのです・・・。こんな結末を招いたあなたの愚かさを。

そして、同時に自分の甘えや愚かさも・・・「同罪」だと・・・。

妹として・・・今。貴方を「罰しました」・・・・・・。」


「おかあさん・・・・・・。俺は・・・・・。分かっているよ?

あの時。「おとうさん」は・・・俺を・・・棄ててなんかいなかった・・・。

逆だよ・・・?庇ってくれたんだ・・・寧ろ・・・必死に・・・・・。」


「庇った・・・・・・・?」


こくんと頷くユイト・・・。


「最後の大爆発の夜・・・。あの老婆によって殺されかけた俺を・・・。

何故「投げ捨てたか」・・・わかりますか?おかあさん・・・。」


「・・・・・まさ・・・・・か・・・・・・?」


「そう・・・。殺される前に自らの命を犠牲にしてまで庇って、

俺を・・・逃がす様に・・・「地球」に投げ落としたんです・・・。」


最期の夜の最期の記憶・・・。


「ユイト・・・!!逃げてくれ!!!俺と・・・キリの・・・

・・・・・大事な・・・・・・娘・・・・・・・・!!!!」


狂気の裏に隠された父性愛が・・・ユイトの命・・・「魂」を

「守る」様に庇い、最後の償いであるかのように・・・。

2人の愛の結晶である「ユイト」を・・・。月から離れた

「地球」に投げ捨てた・・・・・・・・・・。


手放す様に・・・・・・。投げた・・・・・・・・。


「元気で・・・・・・どうか・・・・・今度こそ・・・・・。

幸せな・・・父親と母親に・・・愛されることを・・・父は・・・。

・・・・祈っているよ・・・・・・?ユイト・・・・・・・・。」


その後、笑顔のまま・・・老婆の手にかかり、セツナは滅ぼされる様に

「殺された」のである・・・・・・・。


「そうか・・・・・・・。じゃあ・・・・・・。

あいつは・・・・・・。ユイトを・・・棄てたんじゃなく・・・?

庇ったと・・・・・?守ったというのか・・・・・・・。父親として・・・。」


キリは・・・泣きながらも嬉しい様な顔つきで・・・少し笑んだ・・・。


ラストスパートまであともう少しです。

最期のセツナには・・・「希望」を持たせる結末にしました。

こうする予定だったのです・・・・・。

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