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第019話 目的地は…

 骨ばーちゃんのシェリィが魔法を使って次々と骨が動き出す。

先生が小声で「おみごと」と呟いたのが印象的だった。

 骨ばーちゃんの操る骨は優秀で、とても崩れ難い。

 瓦礫と化したレンガを箱に詰めて運んでも、平気で動き回っていた。


「やっぱり素質って強いですね」

「先生より魔法の上手い人って初めて見たわ」


 骨だけど。


「シェリィはネクロマンサーとしてずっと訓練を続けていましたから、彼女より優れた人は居ないでしょう」エッヘン

「へーっ……」


 ホゥディ少年は骨に囲まれながらもせっせと働いている。

 働く事で忘れようとしているのが見ていて解るので、それだけでも辛い。

 街の片付けと復興はトレインの指揮で着々と進んでいて、私達に用はなさそうだ。


「我々は次の町に進みますか?」

「見ていてもしょうがないもんね」


 トレインに出立を伝えに行くと、驚かれた。


「そのまま行くのです?」

「そうだけど?」

「流石にそのままは拙いでしょう」


 それは先生の姿の事で、この先に暫く町が無いだけではなく、次に到着する町は、多少は魔族に理解のある者が居たとしても、殆どが人間で、獣人も他種族も少ないという。


「魔力を溜めた器になるコアが有ればいいのですが」

「それでしたら、これをお使いください」


 ひょっこり現れた骨ばーちゃんが茶色くて小さな球を見せる。


「これはあなたが肉体を得るのに必要なコアでは?」

「また作るだけの時間をいただきましたので、先生が使ってください」


 強い魔力を感じるその球を先生が受け取る。


「ありがとう、これで肉体を得る条件が整いましたので、お嬢様に呪いをかけていただければ」

「えーっと、状態変化の呪いよね?」

「はい、お願いします」


 コアを大事そうに両手で持っている先生に向かって呪文を唱える。

 この魔法はコントロールが難しいのではなく、魔力を膨大に使用する。

 そして、私が呪いをかける必要が有るのだ。

 長い詠唱の途中で野次馬が集まってくると、いつの間にか魔物と骨に囲まれている。


「………受肉付与っ」


 先生の身体にどろどろとした魔力が纏わり付くように包む。

 見た目は異様だが、ソレは呪いの所為でもあり、目に光が集まると、骨の姿から美しい肉体の姿へと変化した。

 ………って、あれ?


「ああ、久しぶりの肉体は良いですねぇ……豊満な胸はちょっと邪魔ですが」

「えっ…あっ…マ…」


 それは良く見た姿にそっくりというか、そのままだった。


「ママあああああああああああああ!!」


 飛び付いて抱き付くと、大泣きした。

 声も涙も溢れるほど。


(女性をイメージしたのでしょうけど、まさか母親の姿になってしまうとは思いませんでしたが……)


 胸に顔が埋まり、今度は嗚咽を漏らしていて、人肌と涙の温かさを感じる。


(魔法は成功しましたね、流石お嬢様です)


 感動の再会ではなく、ただ姿が似ているだけのマリア先生は、肉体を得ただけなので服が無く、その裸の先生に抱き着いていた事に気が付いて、服を着てもらう事にした。

 先生の笑顔がお母様そっくりになったのですごく恥ずかしい。

 でも嬉しい。

 でも、やっぱり恥ずかしい。

 くすん。


「見事な魔法でしたね、これでお嬢様と人の町へ行っても違和感はないでしょう」

「そのコアはずっと持ってるの?」

「あぁ、これですか」


 先生はそれを、たった今着たばかり服の中に手を突っ込んで、押し込んだ。


「んっ……はぁ……」

「せ、先生?」

「これは失礼しました。コアを体内に収めるのにお尻の穴から入れるのが丁度良いのですよ、こうする事で口から得られる食事でマナに変換してコアに補給しやすいのです」 

「お、お尻って……」


 それって口から飲めばよかったのでは?


「呪いで人の姿になっているので排泄は無いのです、空腹も無いのですが食事をしても排泄は出来ませんので、体内でマナに変換する事で効率よく吸収が可能になります」


 先生ではなく骨ばーちゃんが教えてくれた。


「お母様にそっくりなのは?」

「お嬢様が思い描いた理想の女性像と思います」


 骨ばーちゃんに言われてまた恥ずかしくなった。


「原因は先生にもあるんですけど」

「えへっ」


 お母様の姿でてへぺろされると許しそうになるからやめて欲しい。

 こんなに可愛かったら、泣き落としする父親の気持ちが……。

 分かりたくなかったわ!!





※あとがき


マリアの姿が骨から人になる

母親そっくりで美人で「胸がデカい」



※おまけ


呪文を詠唱する

魔法を詠唱する


ちょっと違う

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