日和&郁哉 小春&郁哉①
あたしは目を覚まし、匠に紅茶を出してもらって飲んでいた。
「日和、もう大丈夫なの?」
「大丈夫……だよ。胸騒ぎぐらいでごめんね。」
「ううん。僕は平気だけど」
「ありがと……」
小春……郁哉くん……どっちかに何かがあったのかな。
きっとそうだよね。
《プルルルル……》
「日和電話……」
「ん、ちょっと出る」
あたしはベランダにでた。
「もしもし?」
『……もしもし……』
「郁哉くんどうしたの?」
『日和……ごめん……』
「え、なになに?」
『俺……』
この先の言葉に対してなんて答えたか覚えていない。
でもきっと、最低なことを言ったと思う。
「鈴原くん……っ?」
ツインテールのこの間郁哉くんに飛びついてた女の子が声をあげた。
「どうしたの鈴原くん……っ?」
みんなも一斉に郁哉くんを見る。
「……」
郁哉くんは何も答えなかった。
あたしは怖くて郁哉くんの方を1度も見なかった。
と言うか見れなかった。
「日和」
名前を呼ばれ、あたしは息を飲んだ。
「日和…」
いつもとは違う、低い声。
「話がある」
別人に話しかけられてるみたいで怖い。
「もうそれすら嫌になった……?」
耳元で囁かれ、あたしは立ち上がった。
「お、屋上!」
「……え」
「屋上、行こっか。」
「……うん」
結局1度も顔を見ず、屋上に向かった。
屋上に着くと同時に郁哉くんに抱きしめられた。
「日和……ごめん……ほんとに……ごめん……」
いつもと違って震えていた。
「郁哉くん……」
「最低な人間で……ごめん……」
「いいよ大丈夫。」
「ごめんなさい…… 」
郁哉くんが手を離した。
怖かったけど郁哉くんの方を見る。
「……い、くや、くん……?」
あたしは言葉を失った。
制服をだらしなく着て、髪もかなり短くなっていた。
「どうしたの……その姿……」
「わかんない……でも……なんか……」
「郁哉くん……」
「日和、ごめんね。嫌いになったよね……」
そんなことはない。むしろ好きだ。
「好きだよ?郁哉くんのこと」
「……」
「……」
「……日和はどうしたい」
「え 」
「こんな俺ともまだ付き合ってくれる?
それとも別れる?」
「……あたしは、側に居てほしい」
「……でも……」
郁哉くんがどんどん弱くなっていく気がしていた。
小春は一体何のために……?




