会話
私は1人で昔の思い出に浸っていた。
「お嬢様。」
霧野に声をかけられ、我に帰る。
「あ……何?霧野。」
「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。ありがとう。」
日和に出会えた。やっと会えた。
パパとママに知らせたら、また、一緒に暮らせるかな。
「ねぇ、日和とまた暮らせるかな」
「それはどうでしょう……少なくとも日和様は今別の家族が居ますし……。」
「でも、誘拐でしょ?あ、ねぇ私が被害届出したら日和は帰ってくる?」
「そうかもしれませんね。」
「霧野、頼むわ。」
「……かしこまりました。」
日和が私達の元に帰ってくるのなら、どんな手段も使うわ。
《プルルルル……》
結城さんからの電話だった。
『もしもし?小春ちゃん?』
「結城さん……どうしたの?」
『ふふ、いい加減名前で呼んでよ。婚約者なんだし。』
「それもそうね、匠さん。」
『突然声が聞きたくなってね。最近なんか小春ちゃんバタバタしてたし。』
「うん、そうなの。誘拐されてた双子の妹が見つかったの。」
『え、小春ちゃん妹さん居たの?しかも誘拐!?』
「言ってなかったっけ?実は居たの。で、11年前に誘拐されちゃって、やっと見つけたの。」
『そっか、それは良かった。名前はなんて言うの?』
「今の名字は分からないけど、前は"南條日和"よ。」
『小春ちゃんと並んだら"小春日和"だね。』
「あ、言われてみれば!全然気づかなかった。」
『素敵な名前だね!』
「ありがとう!」
『じゃあそろそろ切るね。また明日!』
そういって電話をきった。




