side鋼鉄少女の冒険譚③
つおい
「あ、アイさん、大丈夫です………」
チャーリーの言葉は最後まで続かなかった。
矢を打ち込まれた箇所から、黒い金属のようなものが飛び出ているのは今までと大差ないが、その形は歪、一目で制御できてないとわかる。
(……塗ってある毒が変なふうに作用してるのか……)
「ッッッ……あなた達は誰…何が目的なの………?」
それでも矢を抜いた後、無理やり魔力で抑え込み、一時的にだが鎮静させるアイ。
襲撃者に問う。
「ま、冥土の土産に教えてやるか…………俺はBランク冒険者レオナルド・パッチだ」
「B、Bランク冒険者がなんでこんな事を……!!?」
「…………なるほどあんたがミノタウロスを置いた元凶か」
「ど、どういうことよ、チャーリー!!?」
「……最近の彼は悪い噂しか聞かないからな、大方新人を魔物に襲わせて遺品を貰うってところだろ?」
「ヘぇ〜やっぱ他の奴らと違って頭が良いな」
口笛を吹きながら肯定の意思を示すレオナルド。
「…………仲間は、やらせない……」
腕の調子がまだ戻ってないのに前に出てくるアイ。
彼は彼女の様子に物珍しそうな目をした後、呟く
「うん?その体の反応、もしかしてお前、人工魔生物か?」
「どういうことっすかレオナルドさん?」
「なーに、目には目を、歯には歯を、化物には化物をってことだ、昔、各国が魔物に勝つにはどうすればいいか?って考えた結果、同じ魔物の力を持った奴らをぶつければいいって結論になってな、魔物と人間のハーフ的な存在を作る計画がそこら中で行われてたんだよ、詳しくはわからんが、その系列て生み出された化物なんだろ、こいつは」
「おお、そうなんですか、流石レオナルドの旦那は博識ですねぇ〜」
レオナルドは得意げに話し、彼のご機嫌をとる小汚いおっさん。
アイは化物と言われても眉一つ動かさずに二人を観察する。
「…………」
「え、あ、アイさん、今の本当なんですか?」
「…………ちょっと違うけど……大体合ってる」
「そ、そんな」
「ま、まじかよ」
「ちょ、ちょっと!今はそんなこと気にしてる余裕はないでしょ!」
四人が話し込んでいると、続きの言葉を重ねるレオナルド。
「でも、ここまで安定してるのは初めて見たぜ」
「あ、安定?」
「少し頭使えばわかるだろ、人間に魔物の力なんか持たせようとしたらオスかメスかもわからん醜い化物に変わっちまうからな、あそこのガキほど人間としての体を保ててるのは珍しい、生け捕りにすりゃ高く売れるかもな」
「ま、まじですか!うっひょぉ!!」
テンションを上げる腰巾着と醜い化物、という単語に眉根を寄せるアイ。
「……………」
無言ながらもこれでもかと不愉快度が伝わってくる。
レオナルドの言葉に忘れていた記憶がフラッシュバックする。
『全く、この醜い化物の失敗作が、なぜEveみたいに安定しない!!』
『アーーがッッ!!?』
人の形すら保てていない元少女を蹴り飛ばす白衣の男、それを無感動で眺めている自分。
記憶の旅から戻ってきたアイは冷たく囁く。
「…………お前達の方がよっぽど醜いよ……」
あれまじ主人公誰だっけ?(´・ω・`)




