元騎士、フードファトアクセラレーション!!
時系列が元に戻ります!
「さぁ!思う存分食ってくれ!!」
所狭しとテーブルに料理を運ばせるエクティス。
彼は自身の財布をとり貸してくれた少女に礼をするため、飲食店に連れて行き、飯を奢る
流石にスられた財布を盗むのは罪悪感が湧き衛兵に届けておいた、少女の目線もそれに一役買い、悪意も善意もなくただ疑問符を浮かべている少女に嘘をついて騙眩かすのは簡単だろう、しかし、財布を拾う代償に人として何か大事なものを落とすのは承諾しかねた。
自身の金で奢ろうと考えたエクティス、幸い、解体の件で腐ってしまう部位を売って懐は暖かい。
「………えっと、どういうこと………?」
可愛らしく小首を傾げ、疑問符を浮かべる少女。
「俺の財布取り返してくれた礼に飯奢ってやるって事だ!」
ちょっとカッコつけて言ったエクティスの言葉に無表情、無言、無機質な黒い瞳で彼を見続ける少女。
「…………………」
「…………えっと、その、あの、も、もしかしていらなかった?」
空気にたえきれず、少女の無言の理由を探すエクティス。
「………………と…………しそう………」
吐息のような呟きからエクティスは被害妄想な言葉を連想する。
「え?!!?とっとと8割よこせ!?!?無文一になるところを2割で許してやるって?!!?いや、そ、そ、その通り何だけどさ、た、頼みますこれで許してください!!」
そんな彼の被害妄想を正すため、たどたどしいが聞こえるようにはっきりと発言する少女。
「………違う、ありがと………こんな美味しそうな物ご馳走してくれて………って言った………」
少女の言葉に胸を下ろすエクティス、そしてこんなお礼で喜んでる彼女に気を良くしてこんなことを言ってしまう。
「ああ!!好きなだけ食べていいぞ!!」
「………いいの?」
「子供が遠慮すんなって!!」
子供の胃袋などたかが知れてると思い、安請け合いする。
「………そう……」
この後自身がどれだけ愚かなことをしたか戦慄するエクティスだった。
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「モグモグモグ、ゴクン、これもう三つ……後それも五つ………こっちは九つ……最後にメニュー全部を3セット………お願いします」
小さな体のどこにそんなに入っているのか疑問に思うほど食べる少女。
水をスポンジに吸わせるが如く、ひょいひょい食べていく、800gのハンバーグステーキを一口で食べ、少女の口と同等とのハンバーガーを両手に持って一口で食べたと思ったら右、左、右、左、と食い、何個食ったのかは百を超えたあたりから数えなくなった。
自身の顔ほどある器に盛ってあるラーメンを両手で持ったと思ったら傾けて麺ごと呑んでいく。
もはやコップに入れてくるのがめんど臭くなった店員はフルーツジュースを数樽持ってくるが数秒で飲み干してしまうため、数人がかりで持ってきてやっと飲み干すタイミングと同じ程度。
「おいしい……こんな美味しいの初めてありがと…」
「………ウン、ヨロコンデモラエテナヨリダヨ……」
お礼を言った後まだ食う少女、まだまだ全財産の3割程度だから良いが、8割あたりを超えたらストップをかける覚悟を決めるエクティス。
なお食い続ける少女、料理の山を凄まじい勢いで溶かしていく。
大食漢を超えてもはや暴食と言われそうなほど食っている少女、そんな様子に徐々に見物人が周りに集まりだす。
「す、すげぇ!!」
「な、なんなのあの子!!?」
「お、俺だって、あ、あんぐらい!!すみませんメニュー全部お願いします!」
「バッカやめとけあれは人間のやることじゃねぇ」
「まじ一度捕まえたらあらゆるものを逃さないブラックホールだわ」
「すげぇ!!!」
「ウップ、彼女とは違う形で会いたかったな、そうすればこんなことをせずにすんだのに」
「無理だっただろ、お前」
「ミルクでももらおうか」
「まだ満足してないぜ、すげぇ!」
「メニュースリーイートゥゥ」
「みんな見届けようぜ!人生という名のフードファイターライフを!!フードファイトアクセラレーション!!」
まだまだ腹の底を見せない少女に見物人のテンションは沸騰し、これ以上は不味い、そろそろ止めた方がいいという気持ちと限界超え続けて欲しいという矛盾する願いを託し始める。
人間の可能性を切り開き、限界を常に突破し続ける少女、その様子に無気力になるエクティス。
彼の絶望はまだ続く。
食いしん坊女の子キャラって可愛くないですか?




