第22話 新しい服と階級
まあ、そういうことだ。
ギルドは、ステータスを測ろうとするたびにクリスタルが爆発して君を分類できないから、Sランクカードを手札に押し付けて、建物を壊さないよう祈るだけなんだ。
想像していた「Fランクの新人がゴブリン退治に奔走」みたいなスタートとはちょっと違うけど、まあ、冒険者のカードを手に入れたってことで。
ルナは?
ああ、彼女も手に入れた。Sランクだ。
受付係は、書類を渡した時、まるで辞表にサインでもしているみたいだった。だって、書類にこんなの書いてあったら、他にどうするっていうの?
名前:ルナ
ランク:S
備考:煽り禁止
とにかく。それから数週間。
私と仲間たちは、エーテリスで快適に過ごした。今ではちょっとしたルーティンが出来上がっていた。ダリウスは訓練のことでうるさく言い、ケイルは私のマナプールがあらゆる法則に違反しているとわめき散らし、ロナンはポーカーフェイスのルーナを騙して酒場で賭け事をさせようとし(ネタバレ:彼はシャツを脱ぎ捨てた)、セレーネは相変わらずひっそりと私を崇拝し、ライラは正気の声を担当していた。
そして私は? ワードローブをアップグレードした。
トーガ、さようなら。
こんにちは、点滴。
黒のパンツ、頑丈なブーツ、パリッとした白いシャツ、そして王族のように首にぴったりとフィットするハイカラーの濃紺のジャケット。洗練されていてスタイリッシュ、そして驚くほど着心地が良い。さっきショーウィンドウに映った自分の姿を見て、口笛を吹いた。
「…しまった。もし私を見たら、ついていくのに。」
いつものように私の隣を漂うルーナは、いつものポーカーフェイスで私をちらりと見た。「…女王様は十分な美学を成し遂げました。」
「『十分な』?」私はうめいた。 「こちらはドリップだ、ルナ。ドリップ!」
とにかく。要するに、私はついに本物の冒険者に見えたということだ。宇宙のトーガの事故ではなく、スライムの粘液にまみれて泣きじゃくることもない。お墨付きの最強の男だ。
そして今日は?
今日こそが、その大事な日だった。
ギルドボードの前に立ち、冒険者カードを手に、心臓がドキドキしていた。
「…初めてのクエストだ」と、私は大げさに囁いた。
パーティーの皆が好奇心いっぱいに私の後ろに集まった。
セレーネが微笑んだ。「ワクワクする?」
「ワクワク?」私は笑った。「転生してからずっと、この瞬間を待っていたんだ。もう宇宙の事故も、世界を滅ぼすような戦いもない。ただの…普通の冒険者クエストをこなすだけ。」
期待で震える手で手を伸ばし、ボードから紙を剥がした。
そこにはこう書かれていた。
クエスト:地下室のネズミを一掃せよ。
私は瞬きした。「……兄貴。」
名前: リリア・フォスター
ランク: S
名前: ルナ
ランク: S
備考: 煽らないこと。




