第20話 ギルドから追放
ギルドマスターは永遠のように感じられるほど長い間、私を見つめていた。筋肉は緊張し、顎は噛み締められ、そのオーラは今にも崩れ落ちる嵐のようだった。
ついに、彼は口を開いた。
「お前は…」彼の声は雷鳴のように轟いた。「…あまりにも厄介者だ。」
胃が落ちそうになった。
彼は槍のように私を指で突き刺した。「お前は壊滅的な被害を与えた。初心者の平原を壊滅させた。スライムを世界の終焉をもたらす特異点に変えた。そして、お前の存在こそが、この世界を死にゆく星に変えかけたと認めたのだ。」
広間は静まり返った。冒険者たちは皆、息を呑んで見守っていた。
「そして、そのために」ギルドマスターは唸り声を上げた。「お前は出入り禁止だ。即時発効。冒険者登録も、クエストも、ギルドへの加入も禁止。お前は暴走族だ。王国への脅威だ。そして、この決定は…最終的なものだ。」
その言葉は、どんな巨人の踏みつけよりも強烈に響いた。
足が震えた。喉が詰まり、心臓が鉛のように沈んだ。
「…バン?」と私は囁いた。
彼はひるまなかった。「バンだ。」
私はよろめきながら後ずさりし、視界がぼやけた。「…でも…でも、私はここに来たばかりなのに。」
羊皮紙が震える手から滑り落ち、床にこぼれたスライムの塊の中に落ちた。
「私は…ただ登録しただけ…」声がかすれた。「私が望んでいたのは…ここでの普通の生活…一度だけでいいから…普通のこと…」
熱く、重い涙がこみ上げてきた。唇を噛んだが、それでも溢れ、頬を伝って流れ落ちた。
そして私は泣いた。
ギルドの前で、見知らぬ人の前で、仲間の前で。
私が災厄ではなかったから。私は怪物なんかじゃない。ただ…私だった。
銀髪の「災厄の女神」は、夢を踏みにじられた子供のように崩れ落ちた。
広間は静まり返った。
そして…
空気が凍りついた。
ルナが動いた。
彼女の虚ろな金色の瞳は、何か新しいものを帯びて燃え上がった。異質なもの。恐ろしい何か。
「…女主人」彼女は怒りに震える単調な声で囁いた。「泣いてください。」
彼女のオーラが爆発した。
ギルドの壁が軋み、テーブルが砕け散った。彼女の怒りに現実が屈し、地面そのものが震えた。
もはやクーデレではなく、彼女は時空の激昂女神だった。
彼女の声は広間中のすべての魂に雷鳴のように響いた。
「…誰が彼女の心を傷つけるというのか?」
冒険者たちはたちまち膝をついた。受付係は胸を押さえ、息を切らしていた。筋肉の塊のようなギルドマスターでさえ、額から汗を流し、恐怖によろめきながら後ずさりした。
私はルナに手を伸ばした。パニックが全身を駆け巡った。「ルナ、待って!お願いだから、やめて…」
しかし、彼女の怒りは抑えきれず、神の怒りの波のように押し寄せた。
「女主人は平穏な人生を望まれていたのに」と彼女は囁いた。「なのに、あなたは…拒絶するのですか?」
彼女は手を挙げた。空間そのものが裂け、砕け散った次元の光の線が螺旋状に広がった。
ギルドマスターは片膝をつき、顔面蒼白になった。「お願いだから、待って…」
ホール全体が消え去る寸前だった。
涙とパニックに襲われながら、私の頭に浮かんだのはただ一つ。
「…ちくしょう。冒険者として登録したかっただけなのに…」




