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その後花火を桟敷席で見て、お祭りは終了となった。
こういう所を使った後、ちゃんと片づけをしてから去るのは、流石日本人といったところか。
アリーシャも自身の出したごみはちゃんと回収して帰路に就くことになった。
皆と別れ、いつもの四人となった帰り道、美緒莉が不意に、何でもないような風に口を開いた。
「そういえば、りんちゃんはゆーき君とはどうだったの?」
「は?」
「一緒に買い出し行ってたじゃん」
凛子の視線がゆっくりとアリーシャの方を向いたが、アリーシャは高速で首を横に振るしかなかった。
アリーシャだって、急にどうして美緒莉がそんな話を始めたのかが全然わからなかった。
「せっかく一緒に行けるように仕込んだんだから、なんかあったんじゃないの」
首を傾げてそう言った冴に、アリーシャも凛子も驚いて首ごと視線がそちらへと向いた。
「いや、凛子が清水のこと好きなのは、随分前から知ってたし」
「は、はぁあああぁあ?!」
「お祭り皆で行けるようにしてあげたのは、誰の功績だと思ってるのさー」
ひっくり返った超高音で叫ぶ凛子を尻目に、えっへんと言いながら腕を組む美緒莉は非常に得意気だった。
アリーシャは、自分だけが知っていると思っていた凛子の恋心を、美緒莉どころか冴さえも知っていた事実に開いた口が塞がらなかった。
「アリちゃんも気付いてて席譲ったりしてたんでしょ?」
「え、え、あ、う?」
「凛子わかりやすいもんなー。清水にだけあたり強いし。素直にならないと後で後悔するって言ってやれ」
「そ、そんな。そんな、あたしわかりやすかった?」
「うん」
「多分英会話部の何人かも気付いてるよ」
「へぇええっ?!」
頬を両手で押さえて悶絶する凛子を見ながら、アリーシャも一緒に混乱していた。
いや気づかないって、なんで知っているのさ。
何か感じてたとしても、そんな決定的なところありましたか。
アリーシャとしては凛子に言われて初めて気づいたくらいだったのに、なんで英会話部の何人かにも察されているみたいは話になっているのさ。
「それで。どうだったのさ」
アリーシャの混乱していた思考が、冴のその一言でぴたりと止まり、凛子の声に耳をそばだてた。
結局のところ、凛子の恋心を皆がいつどのように知ったかということよりも、今日の進展の方が気になるに決まっていた。
「別になんもねぇーよ、普通だよ、普通」
「ふーん」
「ほほーん」
凛子の回答に冴と美緒莉は意味深そうに笑って、その会話はそこで終了となった。
アリーシャとしては、もう少しいろいろ深く聞きたかったので、帰りの別れ道が恨めしかった。




