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「お妃様とかどう、アリーシャは背が高いし、スタイルもいいから映えると思うんだよね」
顎に手をやりながら真剣な表情で言った凛子は、冗談で口にしたようではないようだ。
「ええー、絶対かっこいいじゃん、それはそれで有りだなー」
手を組んで嬉しそうにそんなことを言う美緒莉も全く馬鹿にしている様子がなく、本気でいいと思っているようだった。
「アリーシャが困惑しているようだからその辺でやめてやれって」
部活が終わった後、帰宅前にいつもの四人で集まれたので、アリーシャの自転車が置いてある駐輪場で冴に言われた、もし白雪姫が出来なかった時の話を皆に相談した。
そして相談した結果がまさかのお妃様だった。
「日本では割と悪役って人気なんだよ。海外では結構嫌われるイメージが強いかもしれないけど」
そうなの、悪役だよ、できればやりたくないんじゃないの。
白雪姫のお妃様は、アリーシャの中では外れ役だ。
だって、白雪姫の美しさに嫉妬して、意地悪して、殺そうとして、最期は雷に打たれて死んでしまう役だ。
原作では灼けた鉄の靴を履いて死ぬまで踊るとか、そんな感じの最期だったはずだ。
そんな役の一体何処がかっこいいというのだろうか、何が原因で人気になっているのだろうか。
アリーシャは一人で静かに混乱していた。
「まあ、他にやりたい役って言ったって、選択肢はそこまでないんだからじっくり考えておきなよ。それはそれとして、明日の昼休み。作戦会議するからね」
冴は一人帰路が別なので、先に歩き出してそう言った。
「作戦会議?」
「そ。オーディションに勝つための、作戦会議」
また明日ねと手を振って去って行った冴を見送り、残った三人は顔を見合わせ首を傾げた。




