楔
夢を見た。
泣いてる女の子の夢。
ぱらぱらと舞い落ちる雪。
視界を埋め尽くすほどの人。されど静寂。
「―――――」
決して止まることはなく、とめどなく流れる雫は彼女の存在をより際立たせる。
わかってる。いつものように言い聞かせればいい。
これは、間違いなんかじゃない―――と。
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夢を見た。
同い年ぐらいの男の子。
輪郭がはっきりしない。
よくある夢。
ここで瞼を閉じれば何を気にすることもなくいつも通りの朝が来る。
だというのに。
それは開けてはならぬパンドラの箱だというのに。
ドウシテ私は何の躊躇いもなく、彼の手を取ろうというのだろう。
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夢を見ました。
ええ。ええ。
これはまぎれもなくあの日のことでしょう。
体育館。
校門に設置された非日常を示す看板。
私は間違っていました。
それよりもまず先にやるべきことがありました。
あの頃の私は恋に恋をしていましたからしょうがないといえばそうなんでしょうけど。
だからといって自分を許せる話ではないのもまた事実。
そっか。
私ってこんな気持だったんだ。
今からでも間に合うのかな。
今度こそ、あなたのためになれるのかな。
もう何も。大切なもの全部取りこぼしたりしないのかな。
いつだって自分のことが可愛い私が大嫌いです。
それはそれとして、へこたれる訳にはいかないのでやるしかないのだと心に決めます。
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夢は夢でしかなく、どちらにせよ現実味なんてないもの。
それで終わらせるのも一つの終末ではありますが、ここはそれを認められない者たちのための居場所。
0から1を成し遂げたからこそ、本当の夢を見せてあげてもいいのではないでしょうか。
其は全ての始まり。
自身の歩みを納得させるためだけの鎮魂歌。




