第二部 NORMAL END「夢の終わり」
case.2 Normal END
意味がわからなかった。理解できなかった。 なぜ、彼女がそれを伝えのか。
なぜ、こうなったのか。
なぜ、止めなかったのか。
何一つとして。
『だって、彼女はあの時言ってくれたじゃないか。』
それだけが脳内を支配していた。
「ごめんなさい。」
「私と一緒に居てくれて‥‥‥ありがとう。」
嗚咽交じりの訴えに唖然とする他なかった。
『誰かを好きになるのはごく自然なことだ』
小さい頃に読んだ漫画のとある台詞を思い出す。
何も、彼女のことを嫌っていたわけではない。友達として、頼りになる相棒として好いていた。
もちろん、物理的な距離が近くなれば、鼓動は速くなるし、精神的な距離が縮まれば、もっと近くに居たいと思った。ただし、あの時、恋愛感情として好いていたかどうかは判断できなかった。
ただそれ以上に、己の幸福を願えなくなった時から、その感情は徐々に薄まっていった。正確に言うならば、それを謳歌できるほどの精神的な余裕が無かった。恋愛について考える間もなく、自身の理想と誇りが欠けていった。
『誰かを愛するということは、誰かを見捨てるということ』
恋愛が障害となり、助けたかったはずの多くの人を見捨てることになるのだと、いつかの後輩から教えてもらった。
『であるのならば、自身の在り方を肯定するためには、誰か一人を愛することなど出来るはずが無い』
その点、教会での問答の時に、美鮮は誓ってくれた。だから、安心して頼ることができた。相談できた。関わることができた。
何も、彼女を責めているわけではない。むしろ、感謝しかない。
苛立つのは、それに気づくことのできなかった自分自身。彼女の答えがその通り彼女の気持ちを示しているなどと、都合の良い勘違いをした愚か者。
教会での出来事から実に二年。それだけの間、彼女に辛い思いをさせたまま、拘束させて、無意識のうちに縛りつけて、のうのうと生きてきた。
本当に誰も傷つけたくないのなら、全てを拒絶しなければならなかった。たかが口約束を信じるべきではなかった。誰かに傍に居てほしい、寂しさを紛らわしてほしいなどと自分を甘やかしてきた結果がコレだ。
俺は何のために□愛を拒絶したのか。
俺は何のためにミステテきたのか。
俺は何のためにカクゴヲキメタノカ。
オレハナンノタメニカノジョトコトバヲカワシタノカ。
ステロ
ステロ
ステロ
プツンと何かが切れる音がした。
確定した運命を語ることはない。
それほどまでに、"ソレ"は決定的だったというだけのこと。
未来は変わった。だが、運命は何も変わっていやしない。それらは決してイコールで結ばれるものではない。
今まで信じてきたもの。これからも信じていくモノのために。




