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■転性悪役令嬢 ~男になって破滅フラグを回避したいだけなのに、Fクラスの下克上とか溺愛とか知りませんっ!~  作者: 富士とまと


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赤毛と銀髪

 ……次の日。

 クラス分け発表。

 うん、Fクラスでした。

 さすがに最後の方の10点はよくなかったか。

 遠い目。

 ええ。遠い目をしております。

 現実を直視したくない。

 赤毛、お前、昨日問題が簡単だと言っておりましたね?

 なのになぜにFクラスにいる。

 私の隣になぜ座っている。

「ぐあーーーーっ、そんなバカなっ!」

 赤毛が、紙を取り出し、何やらガリガリとかきだしてこちらに向けた。

「なぁ、おい、これ昨日のテストの答え、これで合ってるだろう?」

 は?覚えてるの?

「なぁ、なぁ、間違ってないよな?」

 赤毛がぐいぐいと紙を見せてくる。

「えーっと、ごめん、そのボク……これとこれとこれと、5,6問しか解けなくて……」

 えへっと笑いながら、解いた問題の答えを見る。

「そうか、Fクラスの人間にきいてもそうだよな、でも、教えてくれっ、その5,6問、合ってるだろ?」

 必死な形相に、思わず答えを思い出す。

「うん、ボクが答えられたのはこれと、これと、ここらへんだけど、歴史は全部正解してると思うよ」

 ペンを取り出し、1,5,10,15,19,20問目に〇をつける。

 ……あれ?赤毛、本当にテストできてるのかな。っまぁ、すんごく簡単だと思ったから当たり前か。

 それから、算数問題。

「これはボクの答えと違うみたい」

 最期の鶴亀算の答えに×をつけ、数字を直す。

「はぁー?合ってるだろ?っていうか、お前が間違ってるんじゃねぇの?4,5問しか解けなかったんだろ?」

 5,6問だって言っただろう。

 なに勝手に4,5問に減らしてるんだよ……。

「なぁ、お前は?お前はこれ、解けたか?」

 赤毛が私の前に座っている銀髪の少年に声をかけた。

 イケメンが振り返った。

 ……ああああ、幻じゃない。

 正面から顔を見てしまえば、間違いない……。この銀髪……第二王子(発狂死)だったよ。

「なんで、お前がここにいるんだよぉぉぉぉぉっ!」

 っと、声を大にして叫びたいのをぐっとこらえる。

「なぁ、この問題、合ってるだろ?」

 第二王子が赤毛の持つ紙を見る。

「書き直してある数字が正解」

「うおー、まじか!まさか、これ1問間違ったせいで、Fクラスになっちまったっていうのかぁぁぁっ!」

 え?

 平均点そんなに高いの?

 ぱこーん。

 うん、いい音。

 教室に入ってきた25歳くらいの女性が手に持っていた木の板で赤毛を叩いた。グラビアクイーンになれそうなスタイル抜群美女だ。

「うるさいですよ、マージ君。さぁ席に戻って」

 赤毛はマージというらしい。って、もう生徒の名前と顔が一致してるの?いい先生なんじゃない?

「さて、私はFクラス担任のソフィアです」

 ソフィア先生が教室を隅から隅まで眺める。

「なぜ自分がFクラスなのか納得していない者もいるようですから、点数と順位を発表しましょうか?クラスでの立ち位置も分かるでしょうから。自己紹介は点数順でどうですか?」

 ソフィア先生の言葉に反対の声は上がらなかった。

 うん、私も平均点とか全然わかんなかったからありがたい。

「では、まずはサーシャさんから。歴史数学は満点でしたが、マナーと体力テストが10点ずつで、合計220点でFクラスです」

 ぱっと見、黒目黒髪。光の加減で髪の毛は茶色っぽくも見える。眼鏡をかけて三つ編みをしているところまでが……日本人っぽい顔で和む。イケメン美女ぞろいのこの世界では割と平凡な顔だけど、日本基準で言えばアイドル総選挙で40位くらいに慣れそうな感じ。十分かわいい。おっと、自己紹介聞き逃した。サーシャ何?まぁいいか。家名なんて。

 そうして、順に名前が呼ばれていく。

 次に呼ばれたのは貴族でなくて平民。歴史数学が50点、マナーが20点、体力が95点だそうだ。ほうほう。11歳にして立派な筋肉ついてますね。

「おかしい、俺、まだ名前呼ばれないんだけど……」

 20人あたりの自己紹介が終わったところで、赤毛のマージ君がガタガタと震えている。

 おかしい、確かにおかしい。おかしいのは、第二王子の名前も呼ばれていないことだ。

 高等部では優秀だったはずなのに、まさかFクラスのしかも下の方なんてありえないだろう?

 30名いるクラスの、27名まで自己紹介が終わった。

 赤毛涙目。

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