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2.編入生1

 夢を見る。夢を。

 その色は黄金おうごん


シャランと涼やかな音が響き渡る。美しくありながら、あまりに厳しいその音色。それに身を引き裂かれそうになる。

―シャラン、シャラン

音は鳴り響く。舞うように、黄金が揺れる。それに遅れて、赤い飾り紐が宙を舞う。

 

 それはけんだ。黄金の剣。ぎんうつわを守る伝説の剣。それは確かに誰かの手のうちにあり、その人間によって振られている。というのに、その顔はよく見えない。


 そう、これは夢だ。幼いころから信じて疑わなかった未来。失われてしまったその未来は、きっと夢で再現されているのだ。ならば、どうして顔が見えない。だって、その人はきっと彼なのでしょう?


貴輝たかき

たかちゃん」


そう、呼び掛ける。しかし、その人は振り返らない。貴輝でないというのなら、そのけんを振るうお前はいったい誰なのか。


 人影が振り返る。その面差しが見えると思ったその時に、夢は終わった。



「夢が変わった」

現実に引き戻されて、ぽつりとそうこぼした。この夢はいったい何を意味するのか。今変わったことに意味はあるのか。


二階堂武尊にかいどうたける


突然現れた能力者の少年の名を呟く。彼が、けんを振るうというのだろうか。彼が選ばれると言うのだろうか。


「それは困るな」

そう言って、男はカーテンを開け、今日も青い空を見上げた。


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