手配書
次の瞬間には大きな丸い机のある中央会議室に現れる。それもかなりだらしがなく椅子に腰掛けている。
「うぇえ、疲れた」
●おれの方が疲れたさねよ、お前の彼女のせいでな。
「今の間に状況は確認していた。マナが絡んでるとなると、おれも少しばかり本気を出さざるおえない」
●どうするつもりさね?
「マナに変換されたシナリオを修正する。まだ、物語に変化が出てないはずだ、変化が出るまでにこちらで手を打つ」
●わかったさねよ、過去に似たようなことがあったさねから、おなじようにするさねよ。
● おそらく、重大な変化は15分後さね。それまでに君の作戦を僕の頭にデータを送っておいてくれさね。
よしきの声に子ども姿のコーデルが振り向く。彼は相変わらず穴の空いたジーパンを履いて、大人サイズの清潔な白いワイシャツをいて床に引きずっていた。
「ああ、待ってたよ。どうしたんだい、そんなに疲れて。また薬の副作用かな?」
「主治医曰くストレス、いつものことだ。早く要件を」
「そうそう、こんなものを見つけてね」
どうやらコーデルはこのことに気がついてないようさねね。
コーデルは机の上に飛び乗ると足元にとある手配書を並べた。
よしきは頭をだるそうに起こして細めで眺める。しかし、内容を確認すると慌てて飛び起きた。
「おい、ちょっと待てよ。これ社員が犯罪者になってるってことだよな?」
「その通りだよ、社長さん」
手配書には『ラムネ・フォートレス』という澄ました男の顔と、『ユーグリット・グランマガサン』という、たなびくような短髪の男が白黒で描かれていた。
よしきは頭を抱えるようにコーデルに尋ねた。
「こいつらって確か、キシヨ……いや、太一の知り合いだったよな」
「それどころか、同じ敵を相手に共に反乱軍として活動していたようだからね」
「一人一千万とは、えらく高額にでたもんだ」
「そんなことより、僕たちの会社の社員が犯罪者になっていることが問題だよ。速攻で株価下がるだろうねぇ」
よしきは首を横に振ると、
「こいつらはそれくらいわかってるだろう。何か裏があるんだろうが、一応こっちでも動いておくか。セントと鏡を向かわせろ。それでなんとかなるだろう」
その時、会議室の扉が開いた。
「失礼しまーす」
紙の束を抱えて入ってきたのはすみれが刺繍された紫の着物を着た女。黒いショートヘアがカールして童顔がより美しく見える。
よしきとコーデルは慌てて手配書を隠すのだった。




