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ガンマン・イン・スペースファンタジー


 第1章 ガンマン・イン・スペースファンタジー



 その頃、空高く空気もない場所で、一つの衛星が四角いプレートのような惑星の周りを漂っていた。エクレツェアの民が住むこの惑星に飛来する隕石や衝撃波、自然現象から守るために作られた無人衛星だ。



 その中には月に一度訪れる整備員二人が、定期点検に来ていた。



「おーい、管制室Bより。隕石確認、砲撃破壊用意頼みます」

「かしこまりましたー」



 衛星内の宇宙服に身を包んだ男性二人が会話を終えて、衛星の底に装備された砲台を動かす。照準を合わせ。エネルギーを貯める。



 そして、放った。



 バシィ! だが、命中しても壊れる様子がない。



 するとその時気がつく。



 ギョロ、ギョロギョロ。



 乗組員は唖然とした。隕石に目が付いている。



「あれ。今、目が付いてなかったか?」



 砲弾を発射した作業員が不思議そうに眺める。



 するともう一方の作業員が慌てて、



「ありゃ、わんわん彗星だ。仕方ない、餌で方向を逸らしてやるか」



 そう言って衛星のモニターを見ながらキーボードを操作する。



 しかし、それを止める仲間の声がした。



「やめてくれ」


「は? なんでだよ」彼はキーボードを操作しながら「あれは宇宙の生物なんだ。放っておいたら後々面倒なことになるぞ? あいつの糞が隕石になるんだよ」



 それでも仲間は止める。



「あれは『俺のペット』だそうだ」


「は? あんなの飼育できるわけねぇだろ」


「こいつがそういうんだよ」


「は?」



 まるでそこにもう一人いるかのような言い草に、作業員はようやく振り返った。



 すると、案の定そこには不審者が佇む。



 彼は仲間の頭に年季の入った銃を向けていて、反対の手からもこちらに銃口が向いていた。



 だが、それよりもおかしいのは彼の格好。ここは惑星の周りを移動する衛星の中。すなわち宇宙のとある空間に、あまりにも似つかわしくないその姿はまるでカウボーイ。



 又の名を、ガンマンともいうのだろう。



「悪いな、あれは俺のペットだ」



 ガンマンはそういうと銃のハンマーを引く。



 作業員は両手をあげて怯え口調で、



「一体どうやって入ってきた? ここは宇宙のど真ん中だぞ!」


「それは言えねぇよ。慈善事業で来てるんじゃねぇんだからよ」



 そう言ってガンマンは引き金を引いた。

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