来客
2
ここは異世界のターミナル、エクレツェア。
この世界はあらゆる世界から旅人が訪れ、時には定住し、時にはまたさすらっていく。そうこうしてでかくなったこの街クリティクアはとあるチームの本拠地がある場所だ。
人々は彼らの力を頼り、あらゆる依頼を持ちかける。彼らの仕事ぶりに文句をいうものがいないが、一つだけ欠点があるという。
それは彼らが務める建物の入り口に備えられた門が大きすぎて、ノックしても誰も気がつかないということだ。この門は度々訪れるものを門前払いにしてきた。
だが、それでも人々は門を叩いて訪れる。
もちろん、今日も門が叩かれる。
しかし、それはいつもと違って、建物全体を揺るがせるほどの強大なノックだった。
ズシィン、ズシィン、ズシィン……
「なんだなんだ?」
一人の青年が慌ててあたりを見渡す。
ズシィン、ズシィン、ズシィン……
また建物が振動して、その振動で部屋の中のインテリア全てが揺れ動く。
青年はここに来てまだ日が浅い。彼はようやく己の部屋を手に入れて、部屋の掃除をしている最中であった。
しかし、振動はやまない。ズシィン、ズシィン、と騒ぎたてながら彼の心までも忙し立てる。
「一体なんなんだよ!」
せっかく掃除して並べた部屋のインテリアが次々と揺れては倒れ始める。
埃が舞って、足元に落ちるとぶつかって奇妙な音を立てた。足で転がしてみると破片が溢れる。
青年はイラっとして、
「どこのどいつだこのやろう!」
しかし、振動の主は騒ぐなと言わんばかりに大きく建物を揺らして、彼の頭上にある重い荷物を落としてみせる。
それが頭にぶつかった瞬間、青年キシヨの意識が途絶えた。




