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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第一章 ホール・ダンジョン
49/217

第49層 迷死森ヘシタテス

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 森の中。

入ってみて、その中の雰囲気を一言で表すと『闇』だろうか。

森の上の上空からは光が差しているが、地面までは届いてない。

地面からの景色は、太い幹たちと、広がる苔と、少しのシダ植物だけ。

空気も、そこまでおいしく感じない。

 そんな森の中、ミライたちは・・・・・・モンスターたちから逃げていた。

「ちょっとー何なのよ、この数!」

ミチは全力で先頭を走る。

「しるかよ!いいから走れ!」

ユミルも言葉を吐き捨てながら、ミチの後ろを進んでいく。

「はぁ、もう魔力なくなっちゃうよ!」

ミライは最後尾で、走りながらバリアを後ろに放っている。

 どうしてこんな事になったのかと言うと、さかのぼる事数分前。


 「うわっ、迷い死に行くの森、ヘシタテス・・・だって」

ミチは、目の前の苔だらけの看板を見ながら言った。

「だれがこんな所に看板建てるんだ・・・」

ミライがぼそっと呟いた。

「たしかにね。で、迷うで思ったんだけどさ。このまま、まっすぐ行ったら、あの大樹に着くよね」

「そうだけど、それがどうした?」

ユミルがミチに聞き返した。

「どうにかして、この森をまっすぐ抜け出せないかなーってね」

ミチは、恐らく大樹のあるだろう方向を向く。

「たとえばー…この森の上までミライのバリアで上って、そこから、あの大樹に向かってバリアの上を歩いていくとか」

ミチは右人差し指をピンと上に立てながら、2人に対して言った。

「それいいかもな!」

ユミルも賛成の様で、ミライを見つめる。

「たぶん、無理だと思うよ・・・」

「何で?」

ミライの声に、すかさずミチが言葉を返してくる。

「だって…ほら」

そうミライは言って、目の前に細く高いバリアを作り出した。

そこに出来たバリアは、大樹と一直線につなぐ道筋に塞がる木の半分までしか、高さが届いていなかった。

 10m位が限界のようだ。

「これが、僕の限界っぽいよ」

ミライは、バリアを見上げる2人に対して言って、バリアを消した。

「だめか・・・じゃあ、この木たちを全部伐っていくとか!」

ミチはそう言うと、目の前の木の幹に、跳び蹴りをくらわした。

 蹴られた木は大きく揺れて、上から何かがドサッドサッと落ちてきた。

「え・・・」

ユミルは驚いた表情で、一言いった。

 落ちてきたのは、蜂のようなモンスターが2匹。

モンスターの体は、人の顔位の大きさがあるだろうか・・・。

それよりも、その体と比例する位の大きさの針って・・・。

 しばらくしないうちに、落ちてきた2匹も起き上がって飛び、その周りには、お仲間さんが沢山集まっていた。

「…ねえ、これ…まずくない?」

「良くはないと思うよ・・・」

ミチに対してユミルは言葉を返す。

 モンスターの軍勢と3人はにらめ合いをしていたが、ついに向こうの軍勢は、こちらとの距離を素早く縮めてきた。

「逃げるわよ!」

ミチは叫び、走り出した。

2人もミチを追いかけて走り出す。

 ユミルが走りながら後ろを振り向く。

振り向いた瞬間、顔を強張らせ前を向き言葉を吐く。

「やばい、やばいって!これ!」

こうして、3人の逃走劇は始まったのだった。


 だいぶ道を右や左にぐねぐね曲がって、長い直線の道をだいぶ走った辺り。

 ミライのバリアのおかげで、数は半分に減って、距離も離れたものの、まだまだモンスターは沢山追いかけて来る。

 バリアを置いても回り込まれる。

 どうすれば当たる・・・・・・よし!

ミライは一つの案を浮かべる。

 そして、しばらく走ってから、最後尾にいたミライは、突然足を止め振り返った。

「バリア!…発射!」

ミライは目の前にバリアを張り、強くモンスターの方へと飛ばした。

 道幅ギリギリの、高さと重さ最大のバリアだ。

バリアを飛ばしてから、ミライはミチたちの方へと全力で走り出す。

 ミチたちに追いついてから、ふっと後ろを向いた。

振り向いた先にモンスターの姿は無かった。

 どうやら、作戦は成功したようだ。

「ねえ、もう追いかけて来ないよ!」

ミライは、少し先を走る2人に対して叫ぶように言った。

2人はこちらに振り向き、足を止めた。

 しばらく3人の呼吸の乱れる音が鳴り響く。

「どうにか逃げ切ったみたいね」

「だな」

ミチとユミルは、呼吸を整えてから言った。

「あんな針反則よ。間違いなく刺さったら毒無くても貫通して死んでたわ!」

「まあ、飛ばしてこないだけ、いいんじゃない?」

ユミルは、ミチに言葉を返して笑った。

ミチも釣られて笑う。

ミライも笑うが、すぐ表情を戻し一言疑問を言う。

「ねえ、どっちが大樹の方だろう?」

ミライの質問に、2人の笑顔は苦笑いへと形を変える。

 360度、どこを見てもほぼ同じ景色。

 こうして3人は、完全に森の中で迷子になるのだった。

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