↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平和を望んだ少女は、戦争へ進む。 〜敗戦国の再建を目指した少女の誤算〜  作者: 稔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
242/403

共和国初の五か年計画

総統官邸。

ベレは全閣僚を会議室へ集めていた。

机の上には共和国全土の地図。

各省がまとめた資料。

そして、一枚の白紙が置かれていた。

大臣たちが席に着くと、ベレは立ち上がる。


「皆さん。今日は、目先の話ではありません。十年後の共和国を作りましょう」


会議室が静まり返る。

財務大臣が口を開く。


「十年後……ですか?」


ベレは頷いた。


「恐慌対策も大切です。ですが、その場しのぎでは共和国は豊かになりません。未来を見据えた国家計画を始めます」


ベレは黒板へ大きく書いた。


『共和国第一次五か年計画』


「まず最初の五年間で、この五つを重点的に整備します」


一つ目。道路網整備


「物流を止めない共和国を作ります」


二つ目。鉄道網整備


「国内どこへでも物資が運べるようにします」


三つ目。教育改革


「工業学校だけではありません」


「初等教育から専門教育まで整備します」


四つ目。電力網整備


「都市だけでなく地方へも電気を届けます」


五つ目。工業発展


「共和国製品を世界へ輸出できる国にします」


各大臣は熱心にメモを取っていた。

その時、通信大臣が立ち上がった。


「総統!一つ、ご報告があります」


「どうしました?」


「戦争で停止していたラジオ局ですが、復旧作業が順調に進んでおります」


ベレの表情が明るくなる。


「本当ですか!」


「はい」


「近々、放送を再開できる見込みです」


通信大臣はさらに資料を差し出した。


「それともう一つ。国内企業が低コスト型ラジオ受信機の開発に成功しました。製造も始まります」


ルマルが驚く。


「価格は?」


「従来品の半額以下です」


会議室がざわめいた。


ベレは思わず立ち上がる。


「素晴らしい!」


通信大臣は笑顔で続ける。


「これなら一般家庭にも普及できると思われ、地方でも放送が聞けるようになります」


ベレは地図を見つめながら頷いた。


「道路ができる。鉄道がつながる。電気が届く、そしてラジオが全国へ広がる。国民全員が同じ情報を共有できる共和国になります」


ヘルムは腕を組みながら笑った。


「情報ってのは武器だからな。正しい情報が全国へ届けば、国はもっと強くなる」


ベレは黒板の一番下へ新たに書き加えた。


通信網整備


「これも五か年計画へ追加します。情報は国を支える大切な基盤です」


全閣僚が大きく頷いた。

ベレは会議室を見渡す。


「五年後」


「十年後」


「共和国の子どもたちが、この国に生まれて良かったと思える国を作りましょう」


その言葉に、大臣たちは一斉に立ち上がった。


「必ず実現いたします!」


共和国は恐慌を乗り越えるだけではない。

その先にある未来へ向かって、大きな一歩を踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。