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私の朝

私の朝は早い。起床は朝の五時。

毎日その時間には、自然と目がさめる。


「ふわぁ〜。よく寝た〜。」


布団の中でグーと腕を伸ばす。

こうすると血の巡りを感じられてとても気持ちが良いのだ。


私はベットから起き、部屋の中で一番大きな窓を開けた。

瞬間、朝の清々しい空気が部屋の中へと入ってくる。スーっと大きく息を吸い込むと、体の隅々まで浄化されるように感じる。


私は朝の時間が好きだ。

まるで、起きたら自分以外誰もいない世界に来てしまったかの様に錯覚する程、静かで誰にも邪魔されない。


・・・まあ、そう感じるのは屋敷の周りには森しかないからだし、こんな早い時間から起きてる人なんて限られているからっていうだけなんだけど。

そもそも私がこんな早起きできるのは子供だからなんだよね。早く寝入る分、朝が早くなるっていう

大人は大変だよ。(前世の私も含めてね。)


なんてことを考えながら、私は乾いた喉を潤すために水を飲んだ。

部屋には昨日のうちに用意してもらったポットがあるので誰かの手を煩わせず、好きな時に水を飲むことができる。


それから私はクローゼットからスポーツウェアを取り出し、それに着替え、肩下まで伸びた髪を高い位置にしばった。


その後屋敷の表へと出て、そこでストレッチと軽めの準備運動をする。

ちなみにこの前ふざけて大きな声を出してラジオ体操をしていたら、それを見たメイドさんにドン引かれた。


シクシク・・・いつもは違うのに・・・。


そういう時に限って人に見られるんだよね。

・・・はあ。


十分くらいかけてストレッチと準備運動をしたら準備完了!


さあ、走りますか!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝のランニングは健康のためと体型維持のために行っていた前世の習慣だ。

長い距離を走れるようになった三歳から、今世でもこれを習慣化している。

走ることを許されているのは屋敷の敷地内のみ。

しかし、屋敷と侮ることなかれ。

ものっそい広い。

この屋敷で生活して五年、私が一度も訪れたことがない場所は敷地内にいくつもある。

たどり着く前に体力が限界を迎えるんだよ?

ハハハハハ。

規格外の広さだよね。我が家のことながら・・・。


走り始めて少し経つととてもいい匂いがしてきた。

ここには畑や温室がなどがあり、調理場の裏口の隣接いているのだ。

なので、我が家の食卓に並ぶお野菜はみんなとれたて新鮮なものばかりなのだ。


「あ、お嬢様、おはようございます。」


畑の前を通り過ぎる途中、後方から誰かに声をかけられた。

振り向くとそこには、腕に野菜の入ったカゴを持った男が一人立っていた。

彼の名はフレッドさん。

フレッドさんは料理長を務めるほどの腕前の持ち主だ。


私は走るのをやめてフレッドさんへと話しかける。


「おはようございます、フレッドさん。今朝もお早いですね。」


「ええ、まあ。朝食の準備がありますし。今日も美味しい料理を作らせていただきますよ!」


「ふふっ、ありがとうございます!今朝の朝食も楽しみにしてますね!」


私がそう言うとフレッドさんは、ニカット素敵な笑顔を見せて、


「腕によりをかけて作らせていただきますよ!」


と言って調理場へと戻って行った。


(美味しい料理のためにもう少しお腹を減らしておこう。)


私はそう思いながらランニングを再開した。


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