表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
望むはただ平穏なる日々  作者: 素人Lv1
学院 編
16/90

16 ギルドへ

「ハア~、なんかモヤモヤする」

目が覚めると、なぜかスッキリしない。

何か変な夢でも見ていたような気がしてならない。


「まぁ、いいや。今日はギルドに行ってみなきゃな」

 この学院に来た理由の1つだ。


「よ~し、じゃあメシ食ったら行ってみるかな~」

 憂鬱な気分を振り払い起き上がる。

 

 いつも(・・・)の様にステータスを確認する。


====================

ヒロ・ラウンド・グリフ  Lv:165

年齢:15歳  性別:男 

職業:学生   称号:未取得


HP: 17800/ 17800

MP:  6500/  6300


STR: 2860

VIT: 1480

DEX: 2300

AGI: 2120

INT: 1070

LUK:   86


スキル

体術:Lv3、剣術:Lv3(片手:Lv4、両手:Lv3、双剣:Lv3)

棍術:Lv1、槍術:Lv1、弓術:Lv1、馬術:Lv2

精霊魔法:Lv3(地、水、火、風)、構成魔法:Lv3、魔力操作:Lv4

大陸共通言語(理解度:Lv4)、精霊言語(理解度:マスター)、古代言語(理解度:Lv2)

成長速度上昇:Lv4、状態異常耐性:Lv3、身体壮健:Lv3、魅了:Lv3

ステータス閲覧:Lv1、スキル着脱:Lv1

====================

 「あれ?俺のステータスって、こんなもんだっけ?」

 見慣れたはずの数値のはずがなぜか見覚えの無い数値のように思える。

 まるで、初めて(・・・)見たように思える。

 

 「気のせいか?とりあえずはメシだな」

 俺は服を着替えると食事のために部屋を出る。


 寮にも食堂はあるのだが、パンやスープ等の簡単な物が置いてあるだけで、ちゃんとしたものが食べたければ、他の食堂に行かなければならない。


 俺が朝食に選んだのは『ごはん』を出してくれる唯一の食堂『食事処ランバス』だ。

 (やっぱ元日本人としては、朝は米だよな)

 ロギナスは基本的にはパン食の国だった為、この世界には米は無いんじゃないかと思い始めていただけに、フェルディール学院で『ごはん』に再会できた時の嬉しさは言語に表すことが出来なかった。

 (問題は丼物とリゾットしかないのと、付いてくるのがオニオンスープな事だよな)

 定食系のメニューが無く、味噌汁もないのが心残りだった。


(あれ?あいつは)

 店に入ってきた数人の少女の内の一人と目が合う。

 「あ!おーい、ヒロ君」

 手を振りながらこっちに近づいてくる。

 「おう。朝飯か?」

 「はい。このお店は入った事無かったんで此処で食べようか?って話してたんです」

 そう言うと後ろにいる友人らしき少女たちを振り返る。

 「誰?」「知り合いかな?」「なんか親しげじゃない?」「もしかして彼氏?」「「えー!?」」「許すまじ裏切り」「ナタリアさん。ちょっとこっちいらっしゃい♪」「判決。ギルティ」


 ナタリアがなんか妙に物騒な話をしている友人達に連れて行かれた。

 なんか店の隅でこちらをチラチラ見ながらキャイキャイ言っている。


 暫くして

 それぞれの朝食の乗ったトレイを持った彼女達が俺のテーブルに着く。

 「はい、ご紹介します。こちらヒロ君

 入寮した時に部屋がブッキングして知り合ったんです」

 「あ~。ヒロです。宜しく」(キリッ)

 俺はイケメンモードで挨拶をする。

 今世の俺の外見はまさしく貴公子だ。

 優しく微笑む俺に何人かは頬を染める。

 (やっぱりイケメン補正は重要だよな)


 その後も彼女たちとの会話しながら朝食を楽しんだ。


 「ご予定が無ければ、一緒に学内を見て回りませんか?」

 そんなありがたい申し出が有ったのだが

 「すいません。今日は町の方に行ってギルドに登録をしようと思っているんです」

 フェルディール学院は学費が無料とはいえ、寮費や授業で使用する物品は自腹のため生活費を稼ぐために、ギルドに登録して働く学生は少なくないらしい。

 安い学生寮に住み、早々とギルドに登録に行くと言った俺の事情を、いろいろ勘違いしたらしく「大変ですね。頑張ってください」と応援されてしまった。



 ナタリアたちと別れ自室に戻る。


 すると、ドアの前に

 「どこに行っていた?朝食か?」

 アリシアさんがいた。


 「今日は休みだろ?稽古に付き合ってもらいたいのだが?」

 何で女の子から修行の申し込みが来るんだ?

 

 俺が『剣皇』の孫であり、直々に手ほどきを受けていると知ると、「それを自分にも教えてくれ」と連日「稽古に付き合え」と来るようになった。 

 正直、面倒くさい。美少女からの申し出なのだが色気が無い。


 「悪いな。今日はギルドに登録に行くんだ」

 「ギルド?何故だ?金を稼ぐ必要など無いだろ?」

 俺の素性を知っている彼女は俺の懐具合も理解しているのだろう。

 確かに金を稼ぐ必要は無いがね。


 「金を稼ぐ事が冒険者の全てでは無いだろ?

  見た事のない世界が在るならそこに行ってみたいのさ」

 コイツはきっとグリフ家の人間と同じだ。こういう言い回しに弱いはずだ。


 「なるほど。未知への探究心か」

 ほらな、このまま今日はギルドへ、そして夜の町へ。


 「よし。そういう事なら私も行こう」

 

 へ?なんて言った?「私も行く」?どこへ?夜の町に?女連れで?

 イヤイヤ気持ちは嬉しいが、イロイロ段階ってものが有るだろ?


 「確かに一人で訓練するだけより、時折は実戦を経験しておいた方が良いな」


 「あぁ~、一緒にギルドに登録に行くって事か」

 「ん?ほかに何かあるのか?」

 「いや、無いけどさ」


 「では外出の準備をしてくる。後で正門のとこれで会おう」

 そう告げると、俺の返事も聞かずに歩き去る。


 「色気の無いデートになりそうだ」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ