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Ep.13ーハクー

お読みいただきありがとうございます。

 そしてリューに出会ってからわずか四日。



「本日はお集まりいただきありがとうございます。これから目的地に向かいながら、作戦詳細について説明します」



 私達は東門に集合していた。騎士団の半分ぐらいの戦力はあるだろうけど、なんせ急だから人は少ない。


「国を跨いで捜索されてきたグループ、アルパガスはご存知でしょう。今日摘発するのは彼らの拠点の一つです」


「あいつらアルパガスっていうのね」

「有名だよ」

「聞いたことはあるわ。まさか自分が捕まるとは思わなかったけど」


 呑気なものだ。


「冒険者の方々には突入隊として先陣を切ってもらいます」


「先陣?騎士団じゃなくて?」

「先陣だよ」

「じゃあ騎士団は?」

「私達が踏み込んだ後を着いてくる」

「危険な突入は他人に任せて、自分たちは安全が確保されたところをぬくぬくと?」

「さあ?」

「ずいぶんと落ちぶれたものね」


 かつて帝国黎明期に騎士団に属していたリューからしたら、湧く怒りもあるだろう。けど最近はどこもこうだから仕方ない。

 特定の所属を持たない冒険者に比べれば、必ず自国のために動く騎士団の方が惜しいのはどこの国も同じだ。


「低ランクまで集めて使い捨てないだけマシだよ」

「そんなこともあるのね」



「あの小屋です」


 数メートル先に見えた小さな小屋を見ながら、近くに身を潜める。


「元は城外警邏隊の休憩所だったのですが、廃棄されてから管理がされていませんでした」


「つまり管理不足で漬け込まれたのね」

「まあでも、残せるようになったっていうことだよ」

「それはそうね」


三百年前。統一帝国が瓦解して共存していた二つの民族間で凄惨な戦いが起きた。あわや互いに滅びかけたのだ。その時は、廃棄する建物、武器、引っ越しの時でさえ家を残さずに破壊しなければいけなかった。敵に情報を与えないようにするためだ。


 それをしなくて良くなったのだ。


「これから作戦を開始します。我々の突入が可能になったら信号弾をお願いします」

「わかった、任せとけ」


 黒髪をまとめてオールバックにした、筋骨隆々な斧使いが冒険者組のリーダーになるようだ。


「人の気配がねえな」


 今私たちはその小屋の外壁に張り付いている。


「気付いた?」

「さすがに気づくわよ」

「じゃあ行こっか」


 私が立ち上がっても、みんな特に口出しをしない。むしろ私がどう動くかを注視している。


「ずいぶん自由なのね」

「私が自由なので有名なだけだよ」


 ドアを開けてズカズカと中に入って、迷わず床に向かって魔力弾をぶっ放す。


 ドガン!


「ちょっと!危ないじゃない!」

「避けれるでしょ」


 わざわざ入り口を探さなくても、こうすれば一発で解決する。


「うおい!いきなりやったのか・・・」


 後から入ってきた他の人たちがクレーターのできた床を見て唖然としているが、そんなの知ったこっちゃない。


 それよりも、床下にあったこの通路だ。



「よし!行くぞ!」



 すでに奥の方から慌てて駆けてくる人の声が聞こえてきていた。


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