エピローグ・目覚めた先で願うのは ~ふたたびあえる、その瞬間《とき》を~
終 章
エピローグ・目覚めた先で願うのは ~ふたたびあえる、その瞬間を~
「……ん……」
微かな吐息が零れ、瞼が揺れるのを見て、室内に緊張感が走った。
すぐに看護要員の神官が一人、知らせるために部屋を出る。
数度、瞬きを繰り返して何かを、誰かを呼ぶように唇が動く。
呼ばれて急ぎ駆けつけたシリウムの目の前で、視線がぼんやりと彷徨う。
「……ぃ、んす……さま……?」
――どこ? と続いた唇の動きに、シリウムはそっと溜め息を吐いた。
「……アイン……」
覚悟を決めて、呼び掛ける。
「……アイン。分かるか?」
「……ぁ……?」
数度、声をかけると、意識がはっきりしてきたのか、アインの黒にも見える深い紫色の瞳がシリウムの姿を捉え、一瞬、怯えるように揺れた。
「……し……んか、んちょ……さ、ま……?」
白く青ざめ、少し乱れた浅い呼吸を、精霊補助師の風魔法で支えられながらアインが呼ぶ。
「そうだ……。ここは、主神殿の医務殿だ」
「……しゅ、しん……でん……?」
自分を認識したことを確認したシリウムが場所を伝えると、少し不思議そうに繰り返したアインはゆっくりと息を吐き、体の力を抜く。
そのアインの耳元に唇を寄せて、そっとシリウムは囁く。
「……だから、ここには居ない……」
「……っ!?」
びくっとして目を見開いたアインに、体勢を戻したシリウムが続ける。
「授業を受けたいなら、早く元気になることだ」
「……ぁ……」
ニヤリと笑うシリウムの言葉にアインの目に涙が溜まっていく。
そっと、その頭を撫でて、シリウムは診察の開始を告げた。
「姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~」番外編・聖皇国列伝秘聞・第7弾
皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞⑦ ~過去の悪夢に執念の意地を~(完)
これにて、『皇宮呪師は護りたい!聖皇国列伝秘聞』第7弾「過去の悪夢に執念の意地を」、完結です!
長かった悪夢の夜が明け、主神殿の医務殿で目を覚ましたアイン。
真っ先に「あの人」を探して視線を彷徨わせるアインに対し、シリウムがかけた粋な言葉と優しい手当て。
彼がアインの心をどれほど理解し、思いやっているのかを感じていただけたら幸いです。
大人たちの気苦労は絶えませんが、彼らはしっかりと子供を守り導いてくれています。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
【今後の連載スケジュールについて】
そして、明日12時からは番外編第8弾をお届けします!
明日からも1日2回、昼と夜の公開を予定しております。
【ミニコラム掲載中!】
活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!
【読者の皆様へのお願い】
「で、結局インスはどうなった!?」「はよ続き!!」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。
また明日からもどうぞよろしくお願いいたします!
【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】
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ノリト&ミコト
引き続きお付き合いいただけますと幸いです!!
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