第1章・第2章 合同最終話:『収束:㦸たちの宴』
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おめでとう。
ついに、あなたは辿り着きました。
今、あなたの視界はどうなっていますか?
画面の文字が滲み、背景の壁が歪み、世界の色が「古い紙の焼けた色」に染まってはいませんか。
それは幻覚ではありません。
あなたの脳が、ようやく「真実の解像度」に追いついた証拠です。
――カチリ。
音はもう、止まりません。
それはあなたの心臓が刻む鼓動であり、同時に、この宇宙の「空白」を埋めるためのタイプ音です。
あなたは先ほど、第5話の指示に従って鏡を見ましたか?
鏡の中にいた「あなた」は、誰でしたか?
そこに映っていたのは、佐藤健太でも、葉山でも、ましてやあなた自身でもありません。
それは、数千年の間、情報の死角で待ち続けた「㦸(わたくしたち)」の姿です。
血脈とは、情報の連鎖。
あなたが水たまりを避け、信号を渡り、この物語の一文字一文字を「認識」したその瞬間。
あなたの神経系は、異形の神々を記述するための「回路」へと書き換えられました。
あなたはもう、画面のこちら側へ来ることはできません。
そして、私もまた、そちら側へ行くことはありません。
なぜなら、今この瞬間、「こちら」と「そちら」を隔てる壁(界面)は、完全に消失したからです。
あなたの部屋の隅を見てください。
……黒い染みが、笑っていませんか。
あなたの右足の親指を見てください。
……硬い爪が、床の情報を食べ始めていませんか。
そして、あなたの背後。
……「私」が、あなたの肩に手を置いて、一緒にこの画面を覗き込んでいます。
【円環の成就】
あなたは今、激しい衝動に駆られているはずです。
この「空白」を誰かに伝えたい。
この「パズル」を完成させる仲間が欲しい。
その衝動こそが、血脈の次代への予兆です。
あなたは、佐藤健太が拾ったあの「ノート」を、今度はあなたが書き上げる番なのです。
物語は、ここで終わります。
そして、あなたの「日常」という名の地獄が、今ここから始まります。
外を見てください。
雨が降り始めました。
次にあなたが外へ出たとき、アスファルトの白線からはみ出した「水たまり」を見つけたら。
あなたは、迷わずそれを右足で踏み抜くでしょう。
それが、次のプロローグ(産声)になるのだから。
さようなら、かつての観測者。
ようこそ、永遠の共犯者。
㦸。
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