・絆と暗躍、共同戦線(3)
◇◇◇◇◇
「オイゴルァ!! そこのロエスレルの利飼い主さんよォ! この落とし前はどうしてくれる!?
軍の病院に潜入させてた仲間! 死んじまったじゃねぇか!? アイツは優秀だったんだ!! えェ!?
アンタ達と組めば、計画の遂行は約束されるんじゃなかったのかァ? 役立たずなのかァ!? あァ!?」
電灯の薄暗いオフィスに迎えられるや否や、真っ先に男から浴びた言葉がそれだった。
「お仲間が犠牲に? 謹んでご冥福を祈りますが、どうやら双方の事前対策が甘かったようですねぇ。
我々としては、このゼフィーネが重要人物の始末に尽力したのですが__!
相手も相当の実力、一筋縄とはいかないようで!」
面会早々の文句に対し、カルヴァンは妙に妖しげな微笑みで、紳士の対応に神経を尖らせる。
オフィスとは言ったが、その大部屋にあるのは机やプリンターなどは存在しない__
組織のリーダー格が腰掛けるソファー、煙草と薬莢が散らばった小さなテーブルには、仁王立ちした幾人もの武装兵士達が囲っている。
彼等の素顔は見えない。
黒い武装服の立ち姿は、手の先から顔面まで、漆黒のフェイスマスクとゴーグルで覆われているからだ。
(………あぁ、あのミイラ化した女の話?)
男達が指摘する仲間の死とは、軍立病院で看護師に偽装した女性スパイの変死の事__
罪悪感こそ皆無だが、経緯を知るゼフィーネは、ばつの悪さを感じて、その視線を天井の虚構へ逸らす。
「チッ! アンタ等は確か、武装テロ組織の〈革新の激戦地〉とか言ったなァ!?
こっちは資金を削って、野犬2匹を世話してやったのに! 何で損害が増してやがるんだ! それ相応の働きと成果で返すのが道理じゃあねぇのかァ!?
オメェ達が働いてりゃ、【例の試作品】を手に入れられたんだっ!!
この俺達、武装組織 〈新聖地 創造戦線〉がなァ!! 」
「……チンピラ風情が……好き勝手言いやがって……!」
相手の男達から投げられる、一方的な怒号__
それにロエスレルは我慢できず、つい本音を小声を漏らし、歯を食い縛る表情が表れていた。
彼のストレスに気を配りつつも、青年カルヴァンは冷静沈着に作戦を練り、次なる交渉法を組み立てる。
「 〈新聖地 創造戦線〉、聞き覚えはありますよ__!
確か中東地方の過激派武装組織、〈聖地解放戦線〉から枝分かれした『ゲリラ兵団』の一派でしょう?
戦況の不利によって分散された組織の一部が、ついにこの人工島都市にまで流れ着いたとか__?
この度、我々が皆様方に借りがあるのは、十二分に理解はしております。
だからこそ、この時間を互いに割いて、まずは相互の目的と利害の確認、それに伴う計画まで企てる!
そのつもりで、僕達はここへ赴いた訳です。
まぁ、お渡しする手土産もあることですし__!」
カルヴァンはそう淡々と言うと、肩に掛けていたショルダーバッグを彼等のテーブルに下ろした。
目の前のバッグを、彼等は不審そうに睨みつける。
「何だァこいつは? 少ねぇ荷だな! 武器か!?
まさか金をやるから俺達は手を引かせろ、なんて逃げ台詞を言うんじゃあネェよなァ!?」
「まさか! そんな理由でわざわざ赴きませんよ?
こちらは、我々からの贈り物ってヤツです。
必ず役に立てると!信じていますので__!
無償で献上しますので、まず開封なさる前に、お互いの目的、利害、意思共有をここで図りましょう。
変に疑って、無限に血の海を広げたくはない__!
別に何も【貴方達に限らず】 の話ですけど__!?」
「ぐぅ……!? 何だ……コイツ……!」
一瞬、相手の眼に打ち付けるように見せたカルヴァンの表情、それはゲリラの男達の肝を凍りつかせた。
この世の人間の顔なのか、人の恐怖や不安、狂気を煽るかのような、死神の顔をした死の商人のそれ__
「では失礼、まず僕達はこの街へ到着したばかりで、そちらが求める【被検体】とやらを詳しく聞いていなかった__!
軍立病院では、僕達はリリーナ=フェルメールさえ先に始末できれば良かったけど?
そちらの要求は、『盲目の少女と白い介助犬』を連れてこい、とだけ聞いている。何故です__?
何か隠された機密情報でも握っている……とでも?」
「あァ? ロエスレルから何も伝わってねぇのか!?
分かったよ! 説明してやる__!
俺達が欲しいのはただ一つ!! 新型の《ギルソード》、その開発技術だ! 決まってんだろ!?
だが! この国の軍事体制や統治、中枢の警護体制を知っていれば、現時点でソイツが不可能ってヤツだ!
それはお前等も、嫌という程に味わったろ!?
……けどよ? そんな《ギルソード》の実用が民間用に下りているとしたら? どうだ!?」
そう言うと、中央の席に座る戦線のリーダー格の男は、手元のリモコンらしき機器を翳して、暗い天井に大きな『3Dディスプレイ』を映し出す。
カルヴァンをはじめ、一同が天井のそれ見上げる。その空間画面に映されていたのは、何かの設計図__
その隅々を見渡せば__
その形状は、かつて盲導犬に装着していた器具、【ハーネス】によく似ていた。
「……情報を得るのに、潜入版や情報技術班の同士は何人かが軍の手で殺された!
これは、ここ最近開発された《ギルソード》の開発図面だが、軍事用のそれじゃあねぇ!
__前代未聞の【民間・福祉用の《ギルソード》】
名称は確か……《深層読解の共鳴体器具》だとよ!!
どう思う? 俺達のような生身の人間じゃあ絶対に手が届かねぇ〘新科学兵器〙のテクノロジーがよォ!
何の力もねぇ民間人の手に渡ってんだぜ!? なら武力で奪取するしかねぇだろ!?
幸いこの幼いガキは目が見えねぇ! 好都合だ!!
俺達はこの娘を【被検体】と命名し、誘拐する!
娘の身体は、我々の栄光に役立ってもらうぜ!!」
リーダー格の男の言葉に、周囲の兵士達は感化されるように、布で隠れた目元から微笑を覗かせるが、
ロエスレルとゼフィーネの2人は、計画の加担に対し、あからさまに不服を表す仏頂面を見せつける。
ゼフィーネに至っては、ただ協力意欲が沸かず、この横暴そうな男達との共闘に嫌気がさしている。
ロエスレルは、予めこの者達の計画は知っていたが、実力行使を主義とする彼は、戦闘に無関係な弱者を標的とする姑息な作戦に、不平不満を抱いていた。
そんな2人の顕著や態度に懸念を抱いたカルヴァンは、ひとまず相手側の機嫌だけでも取るように、表面的にでも前向きな意欲をアピールする。
「へぇ? 〈新都市国家マリューレイズ〉が__?
軍国主義のイメージが強いのに、まさか最新の軍用技術を真っ先に民間に流すなんて__
この国は、世界でも希少な《ギルソード》を自国で開発できる技術保有国で有名だけど、不思議だねぇ。
余程の善人が軍の中枢に存在するようだ、それも聖母のような。まず余程の理由が無いと、貴重な軍用技術を民間に流すことは、まずやらないでしょうから。
__それで早い話、この子を襲撃して攫えと?」
「あぁそうだ! 実行はお前達でやってもらうからな!? 戦力の支援は惜しまねぇから安心しろ!
裏切りと見なされて、殺されたくないからな!
だが少なくとも、お前等は俺達に借りがあることを忘れるな! その対価に見合った仕事は要求するぜ!」
「フフフッ! 了解しましたよ。では皆様のご親切をありがたく頂戴して.兵隊の方々には是非とも、私達へのご協力とご同行の程をお願いしたく思います。
その【贈呈品】ですが、使用法のマニュアルは同封されてますので、有事の際にお助けになれば__!」
カルヴァンがそう言うと、リーダーは表面上で納得したように、「フンッ!」と鼻笑いを1つ溢した。
するとロエスレルは、ようやく苦痛の会議から解放されたと思わんばかりに、その場を離れて部屋奥の暗い部屋へと、独り入っていく。
__カルヴァンと〈新聖地 創造戦線〉の兵士達は、その後もしばらく話し合いを続けていた。
◇◇◇◇◇
ロエスレルが入った暗い部屋、
それは間借りしていた、彼の寝室であった。
だが彼ではなく、その清潔とは言えないそのシーツの上には、すでに横たえている者がいた。
それは、彼の下で働かせていた殺し屋の少女、
ラインフェルト=フェリーベル__
先の戦闘で瀕死の重体となった少女は、今もそのベッドから動けずにいた。
人工呼吸器が装着された口元、その吐息は途絶えそうな程に、小さくてか細い。顔面は白く青く、目元の隈は黒く、今にも死に絶えそうなそれ。
頬と額はガーゼと包帯が被せられ、青い病服から覗く肌は、赤い血が滲む包帯が一際に目立っている。
そんな生気のない、辛うじて生命を繋ぐ少女を目の前に、ロエスレルは__
「クソッ!あのガキ共ォ……! よくもこのウザってぇ状況を生み出しやがってぇ……!!
復讐しねぇとよォ……腹の虫が収まらねぇ!!」
と、苛立ちを抑えられず愚痴を吐いては、ひたすらに舌打ちを繰り返した。
しばらくして、もう1つの人影が足音を立てる。
小柄な少女のそれ、彼の背後に現れたのは、ゼフィーネ=クライシスであった。
「何独りで喋ってんだよ? キモッ__!
つーか、その女ってアレ?
死に損なったアンタの殺し屋人形ってヤツ……!?」
「俺の手下じゃねぇぞ! ディズレーリの奴から使いっパシりを借りてんだよ!?
だから、下手に死なれちゃ困るんだよアホが!」
噛み付くように反論するロエスレル__
それをよそに、ゼフィーネはベッドに横たえる少女、ラインを見下ろした。
冷徹な眼差し__
興味本位で覗いたが、同情の感情など欠片もない。
道端に放置された障害物を見るような眼で、包帯姿の少女をじっと睨みつけている。
__すると、相も変わらず陽気な表情を崩さないカルヴァンが、涼しい表情でこの部屋に入って来る。
「君達ぃ? ちょっと僕に冷たすぎやしないかい?
いくら不本意で不満高まる共同戦線とはいえ、貴重な協力相手ではあるんだよ?
その為の商談というか……交渉の立ち会いやフォローは、隣でしてくれても良かったんじゃないか?」
「あァ? 無茶言うな! あのゴロツキ共風情にか!?
そりゃ今回の面倒事は、この俺ロエスレルの実態だと思ってるけどよ……!
だがお前、本気なのか!? あの俺達を最初から見下して、捨駒にしようってハラの連中とよォ!
本気で共闘ができると思ってやしねぇよなァ!?」
__ロエスレルの反発に、カルヴァンは目つきを鋭いそれに変えて、冷静冷淡とこう語った。
「共闘? フフフッ! 冗談が過ぎるよロエスレル?
組むわけがないだろう? あんな思考も能力も劣等種の連中なんかと__!
ああいった関係はねぇ、結局は利用し利用され合う間柄しか築けないのさ。
その末にろくな結果は訪れない__
その中でマシな結末を招くならば、もう手段は減らばない。弱肉強食の世界だ!
彼等は僕等を前線に追いやって、盾にするつもりだろうけど、逆だ。利用するのは僕等の方だよ。
安心するといい、作戦はすでに『Dr.グナイスト』と打ち合せ済みだ! その為の【土産物】だよ。
あれは彼等に栄光を齎す代物では、絶対にない。
約束なんてはどうでもいい。僕達はユウキとリリーナ、2人の息を確実に止めるだけだ。
だから、君達は安心して__
これを被って、潜入したまえよ__!」
そう言うと、カルヴァンは思わぬ行動に出た__
唐突に、ロエスレルとゼフィーネの2人と、負傷して横たわる少女ラインを目掛け、正体不明のスプレーを吹きかけ、部屋一帯に撒き散らす。
「ぎゃあ……!? ゲホッ! なっ……何っ……!?」
「うぇっ……!? クソッ! カルヴァンてめェ……!?
いきなり何しやがんだ……!? 殺す気かっ……!?」
突拍子もなく浴びた煙__
ゼフィーネは不意に吸い込んで咳き込み、ロエスレルは息を止めたまま怒り出したが、カルヴァンの様子は至って冷静だった。
詫び入れることもなく、カルヴァンは淡々と、スプレーの気体の正体と、噴射した動機を淡々と語る。
「安心しなよ!危害を加えるつもりは当然無い__!
これも、グナイストからのプレゼントだよ!
何故なら今のままでは、君達の居場所は相手側に筒抜けもいいとこだからさ♪」
「……はァ? 筒抜けだァ? 俺達の潜伏先がか!?」
ロエスレルは、カルヴァンの言葉に対して理解が追いつかず、喰って掛かるように疑問を投げたが__
対するゼフィーネは、その理解が早かった。
「あぁ、そうよね。そういやあのリリーナって女、私と同じ能力を持ってるんだったわ!
脳味噌と一緒にさ、眼球まで改造されてんのよ。
だから、どこに居たって見られるんでしょ?
人間の体内外に所有する《ナノマシン》を直に目視できる《覚醒瞳》によってさ__!?」
そう言って、次にゼフィーネが見せた顔の瞳、その色彩は、確かに人の持つ自然な眼球のそれではない。
白く煌めく瞳の奥、紅色の光沢を輝きを帯びた機械の如く紅色に煌めく、機械仕掛けの瞳。
その呼称は《粒子器発動の覚醒瞳》__
「___っ!??」
それを見るや否や、状況の把握が追いついたロエスレルは、思わず仰天の表情で身震いを起こす。
「そうだよ!ゼフィーネのような《ブレイン=ギルソード使い》っていう厄介な存在がねぇ。
それが敵側にも存在するのが問題なんだ__!
同じ能力を持ってる以上、逃げ隠れは無駄だよ。
どこに潜伏しても、透視で位置を知られる!
だからこのスプレーは、それを保護遮断できる《フィルターナノマシン》を含んだそれだ。
これで、居場所を検索される心配は無くなった!
グナイストからの贈り物さ__!
これで布陣は整った。後は好きに暴れるといい!」
カルヴァンは再びその表情を歪めて、死を招き馳走する死神の如く、その奇妙な微笑を見せつける。
その微笑に同調するように__
ロエスレルとゼフィーネの2人の表情もまた、自然と同じそれに変わっていた。
♢♢♢♢♢
__同日、深夜1時頃のこと、
〈マリューレイズ軍立総合病院、リリーナ=フェルメールの病室内〉にて__
シェリー達と別れたこの夜、リリーナの眠りは非常に浅く、こんな真夜中に目が覚めてしまっていた。
まだ極度の貧血で、身体と意識が重い__
なのに、目を瞑ったとて一睡もできない__
たまらずベッドで上半身を起こし、彼女は閉ざされた窓から、高層ビル郡の照明が彩る夜景を見渡した。
入院中は飽きる程に見た景色、
そんな闇夜の繁華街の照明が織り成す幻影的色彩に、相も変わらぬ美しさを感じる。
__だが、身体の辛さを押してまで、無理にその上体を起こしたのは、何も夜景の為でも、眠れないからという理由だけではない。
確かめたい事、探りたい事があったのだ。
この国で、彼女だけが身に宿した《能力》で__
「………《粒子器発動の覚醒瞳》……!!」
目眩や倦怠感を堪えて、リリーナがそう呟くと__
彼女の瞳は緋色のあどけない人のそれから、まるで機械人形のそれ、紅色の《覚醒瞳》へと変貌する。
すると、リリーナから映る視界に変化が起こる__
瞬く間に夜景の風景から紅色の配色に包まれたような配色に染まり、所々に白い微生物の如き斑点が、視界を無数に覆っている。
__これこそ、リリーナが《覚醒瞳》発動時に映る景観であり、彼女だけが持ち得る視界。
目に映る白い斑点は《ギルソード使い》が所持する《ナノマシン》を眼球の『透視・捜索装置』によって映し出され、かつ解析されたもの。
その1つ1つの構造、性質、能力といった解析情報が、無数に彼女の脳内へと流れ込んでいく。
この国の人口、その三分の一を占める《ギルソード使い》が、今どこにいるのか、どんな能力を有しているのか、その全てが《瞳》により視界化されて__
後は彼女が自身の脳で、それを整理し把握する。
それは人間が見る世界とは全く違う、まるでネットワークが形成する仮想世界に転移たような視覚。
かつて脳と眼球を改造されたリリーナだけが、この国で唯一見ることができる世界だった。
そんなはずなのに__
「……っ? えっ……嘘っ!? えっ……!?」
リリーナだけが見慣れた紅色の視界の中で、彼女は突如、その能力と視界にとてつもない異変を感じた。
それは、今までこの能力で追跡していた、ある2人の《ギルソード使い》と、その《ナノマシン》__
先日まで、それが見えて行方を追っていたのに、途端にその《覚醒瞳》の透視視界から消えてしまっているのだ。
途端に見失った、2つの《ギルソード》の在処__
1つは、先日の大規模テロ主犯、ロエスレルが有する《強襲動兜の無敵強化盾》__
もう1つは、昨日の病院襲撃主犯、ゼフィーネの有する《吸血する脳操紅鎖》__
襲撃事件以来、最も危険視された危険人物と、2つの驚異的な《ギルソード》という破壊兵器。
発生後、捜査上では消息を絶ったとされる彼等、
リリーナたった1人だけが、目視で居場所を探知できただけに、彼女は大きく混乱し、取り乱し始めた。
当然、シェリーや大切な仲間達が危険に晒される確率が、格段に上がったことを意味する故である__
(……どうしよう!? 何でっ!? どうして見えないの!? つい昨日まで私の目に映って捉えてたのに!?
国外へ逃亡した……? いや、ありえない!
だって海上の国防軍が水域ごと封鎖してるから、海路じゃ逃げられないはずだから……!
それとも私の《能力》がおかしいの!? 頭や目の装置が故障した……!? 違う!!
もしそうなら、無数の《ナノマシン》の中で、特定の2種類が見えないのは不自然な気がする……!!
何が起きてるの……!? 私がおかしくなったの……?
私……いや私達は……
アイツ等に一体何をされたの!?)
病室のベッドの上で、リリーナはただ独り__
脂汗を流し、呼吸を荒げて、もう眠れない。
その夜の暗闇は、いつも以上に長く感じられた。
語録紹介(追加分)
・《粒子器発動の覚醒瞳》……武器を脳で操る《ブレイン=ギルソード使い》のみに宿す、特殊な《瞳》。
非使用状態の透明な《ナノマシン》は、普段人間の目には絶対に見ることはできないが、この《瞳》には、脳と共に特殊な改造手術を施すことによって、それを目視できる。
かつ《覚醒瞳》発動によって、『透視』が可能であり、壁の向こうや10km先だろうと、発動時の『透視機能』によって、居場所の特定までも実現できる。
しかし、脳や眼球等の改造手術が必須であるが故に、《ブレイン=ギルソード》は非人道的兵器として、リリーナ1人を最後に、製造・運用は禁止されている。