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エピローグ
数日後。
昼休みの図書室。
一年生の女の子が、本を抱えたまま慌てて歩いていた。
「あっ。」
本が一冊、床へ落ちる。
同時に、二つの手が伸びた。
「どうぞ。」
「どうぞ。」
顔を見合わせる。
湊と陽菜。
二人とも、思わず笑ってしまう。
一年生も笑う。
「ありがとうございます!」
元気よく頭を下げて、図書室を出ていく。
その姿を見送りながら、陽菜が小さく言う。
「喜んでくれたね。」
「うん。」
湊も笑う。
「今日、あの子は少しだけいい日かも。」
陽菜は隣でうなずく。
「うん。」
「きっとね。」
窓からやわらかな秋の日差しが差し込む。
本棚には静かな時間が流れている。
そして今日もまた、誰かの一日が、少しだけ優しくなっていく。
― 完 ―
あなたの今日も、少しだけいい日になりますように。




