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153 貴様らの頑張り過ぎだ! (改訂-5)

【貴様らの頑張り過ぎだ!】をお送りします。


宜しくお願いします。

 次元バーストの虚数空間が広がる事をマーリンと晴明が押さえ込んだ為、周囲への影響を最小限に食い止める事には成功したが、その虚数空間へ吸い込まれる事を虚なる神は耐えていた。自らの身体を変化させ、虚数空間とこの世界との境界線に楔を打ち込み、虚数空間へ引っ張られる事を必死に拒絶している。



「なんだと?! 空間に身体を引っ掛けて耐えてやがる!? 」

 グラウスは焦った。これを耐えられると後が無い。



「全砲門開け! 奴を攻撃せよ! 虚数空間に奴を叩き落とすのだ! 」

 アヴァロンの一斉攻撃が始まったが、効果は薄い。虚なる神の神霊力が魔導縮退炉に注ぎ込まれ、増幅されてゆく。




◆◇◆




「これで貴様らの打つ手はもう有るまい! 連結された魔導縮退炉の臨界突破で放たれる宇宙開闢(うちゅうかいびゃく)に匹敵する神罰の光に焼かれてこの世界は死滅する! 貴様らの頑張り過ぎだ! 」

 勝ち誇った時貞は、妙な動きをするヒロトの左手に気が付いた。



「その薄ら笑いを消してやると言ったろ?! 」

 もう隠す必要が無いと言わんばかりにヒロトは両手で空中にMMORPGファイヤーグランドライン世界で使用される古代魔法文字を空間に書き始める。



「貴様! 何だその術式は?! 」



 時貞は、詠唱を始めようとしたが、急激な胸の痛みを覚えて片膝をついた。それと同時に炸裂音と爆発が時貞の周囲で起こる。なんとか魔法障壁で防ぐが時貞は信じられない物を見た。いきなりこの空間に現れたそれは、更に時貞を攻撃する。ティーガーE型戦車と呼ばれる第二次大戦時に生み出された最強戦車を中心とする機甲師団の猛烈な攻撃を受けた!

 時貞は勝利を確信して見落としがあった事に気がついた。



「ロンメル?! 貴様! 生きていたのか?! 死を偽装したな? うっぐ?! 」



 虚なる神の魔導縮退炉は時貞とも連動している。その円形に連結した八基の内、一基が沈黙した為に連結稼働に不具合が生じたのだ。



「呪いや恐怖で縛るやり口はヒトラーと同じだな。貴様の様な奴に従う事の愚かさを私は嫌と言うほど、現世で体験したのだよ。榴弾の雨を降らせてやれ! 奴に詠唱の隙を与えるな! 」

 ロンメルが檄を飛ばすと、さらに猛攻が時貞に襲いかかった。



「ふざけるなよ、この小賢しい下郎共が! 滅せよ! 」

 時貞が無詠唱で雷撃魔法を炸裂させる。膨大な稲妻が戦車に降り注ぎ爆炎が周囲を包んだ! その爆炎の煙の中から九郎が時貞に肉薄する! 



「そろそろ退場しろ! このゲス野郎! 」 



 九郎の愛刀【蜘蛛切り】の白刃がついに時貞に届いた!だが肩から胸までを切り裂いたがすぐに切り口が再生する。そこへ間髪入れずに武蔵が横殴りの一閃を通す! 胴体が横に真っ二つになるが、これも直ぐに再生が始まってしまう。




「……クワイ グラスード アロス! 真実の果実よ、我に力を与え給え。ストアルバードドリアナス……」

 クラインが詠唱を始めた、高速で印を結び神霊力を爆発的に増幅させる。もうこの空間で意識を保つ事も難しい。



「クライン…….(さか)しいだけのガキが!! 」

 時貞はクラインに向けて爆裂魔法を浴びせかけるが、それを瞬間移動で避けて魔法を発動させる。



(かしこ)くて悪いか!! 貴様に弄ばれた人々の思い噛み締めろ! 魔人爆鎖波動陣(ストアルバードドリンガー)!!!!! 」

 時貞を球体結界が包み込み、その内部で黒い粘着質の物体が湧き出してくる。



「魔界の粘菌生命体か?! アリストラスの正統な皇王になる筈だった男が最上位の暗黒魔法の使い手とは笑わせるな! だがこんな物で我を滅する事など出来んぞ!! 」

 纏わりつく粘菌を引き裂き、自ら炎を纏い焼き殺してゆく。消化液で溶かされるが、すぐに再生が始まる。

 クラインの霊体はもう既に限界だった。最後の神霊力を使い果たし、エレクトラに意識を繋ぐことが精一杯だった。



『エレクトラ……エレクトラ! 』

 エレクトラの頭に、いきなり兄クラインの声が響き渡る。



「お兄様!! 」



『お別れだ……もう意識も持たない……愛しているよエレクトラ!』



「はい! 私も愛しています! 」

 今まで堪えていた感情が全てこの一言に込められた。不思議と涙は出なかった。クラインの意識が遠のいて行くのがわかる。



『……ドリス……やっと君に逢える……』

 眩ゆい光の奔流のなか、伸ばしたクラインの手がドリスの手を握る。



『……もうこれからは一緒に……』

ドリスの手がクラインの手を握り返した。






「クラインめ、消滅しよったか! 私の肉体や霊体を破壊しても、魂に被せられた呪いの檻を破壊しなければ、幾らでも生き返るし、転生する。檻を破壊する為には虚なる神の神罰の光によって許容以上の崩壊を起こすしか方法がないのだ。あと少しで届く! もう終わりだ! 」

 時貞の内圧で、結界にヒビが入る。もう持ちそうにない。



「その薄ら笑いを消すと言った筈だ。何度も言わせるな! 」

 ヒロトは左手を地面につけて魔法陣を展開して時貞をのみこむ。


「貴様! 何を?! 」



「面白い世界に、連れて行ってやるよ! 」

 ヒロトは時貞諸共、次元跳躍した。





【貴様らの頑張り過ぎだ!】をお送りしました。


(映画 海街diaryを観ながら)

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