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88 聖女悲嘆 (改訂-5)

遂に妖魔第三軍との戦闘が始まります。

ジル・ド・レとは何者なのか?


宜しくお願いします!

 子供の頃、


 森向こうの丘の上で、


 薄暗い雲の切れ間からさした光の中


 大天使ミカエルを見た。


 それからは、声も聞こえる。


 あぁ……愛に満ちたこの世の……



「ジャンヌ様!!! 」



 ジル・ド・レは叫ぶ。

 ジャンヌはジル・ド・レの顔に見覚えは無い。



「……あんた、誰? 」



「お忘れか? このジル・ド・レめを! 」



「知らないわよ、あんたなんか……」

 ジャンヌは本当に心当たりが無かった。



「おおおぁっお!! 嘆かわしい! オルレアンにて、我らでシャルル七世の戴冠式を行い、フランスを憎きイングランドから解放したでは有りませんか!! 」

ジル・ド・レは必死の形相だ。



 ジル・ド・レ。フランス王国のブルターニュ地方の男爵位にあり、シャルル王太子の命を受けジャンヌ・ダルクと共にオルレアン包囲戦を戦い、イングランドから解放させた。シャルル7世の戴冠式をジャンヌと共に執り行い、フランス軍元帥に任じられる。幾度もジャンヌと共に戦い、ジャンヌがイングランドに捕らえられた時も、ジャンヌを救出すべく戦うが、ジャンヌが処刑されてからは神を憎み、黒魔術と錬金術に傾倒し、悪魔への生贄としと少年千五百人あまりを虐殺した。



 二人の様子を見ながら晴明は懐で印を結ぶ。

 九郎とウィリアムは鉄巨人の後に位置取り、スパルタクスと睨み合った。


「貴女が異端審問会で神に裏切られ、私は絶望に苛まれた……」



「私が異端審問に?? 何を馬鹿な! 」



「イングランド王が貴女を魔女扱いして、教会に処刑させた事もお忘れか? 神によって記憶を消されたのか? 私は神を憎んだ。そして悪魔に魂を売り渡した。それもこれも貴女を災厄の渦の力で蘇らせるため! 」



「何を世迷言を!! 」

 ジャンヌは混乱した。この時十六歳のジャンヌはまだジル・ド・レと現世で出会っていない。



「なんか妙な雰囲気だ。こっちから仕掛けるぞ! 」

 九郎は一気にトップギヤに入れてスパルタクスに向かって突入した!



 スパルタクスが大上段から大剣を振り下ろすが、九郎は難なくかわしてスパルタクスの首を薙ぎにかかる。

 衝撃波で大地に巨大な溝が出来るが、スパルタクスはその衝撃波を左手で受け切る。



「ジル・ド・レ!! なにを戯れあっている!! その女を切れ!! 」



「ちぃ!! 巨人よ! 奴らを殺せ! 」

 鉄巨人はジル・ド・レの号令でウィリアムに襲いかかる。



「ジル・ド・レ!! なぜ女をやらん!! 」



「うるさい!! あの方は聖少女ジャンヌ様なのだぞ! あの女扱いするなら貴様も殺すぞ! 」



 鉄巨人の大剣は視界に入った者全てに向けられた。

 九郎がその大剣をかわして、剣の上に乗り、ジル・ド・レ目掛けて走った!

 ジル・ド・レは九郎へ左手を突き出し、爆裂魔法を放つ! が九郎の姿がかき消えた! 

 


「何処だ! 」



 九郎は天高く飛び上がり、太陽を背にしてジル・ド・レ目掛けて剣を肩から脇にかけて一気に突き刺した!



「ぐぅうぉぉおおお!! お、おのれ! 召喚者め! 」

 大量の黒い血を噴き上げなが怨嗟の声をあげる。



「……ヨミノヤミヨリ イデシ ソノミヲ ウツヨノチカラニテ……式神の王よ! 我が声を聞け! 」      

 印を結んだ晴明が地面に五芒星を描き、そこから巨大な式神を召喚し、鉄巨人にぶつけてやった。真っ白なその存在は、巨大なその手で鉄巨人に掴みかかる。



 ウィリアムが放った渾身の一撃がスパルタクスの左肩を断ち割るが、スパルタクスも同時にウィリアムに目掛けて突きを放った!

 その突きがウィリアムの脇腹を貫く!



 その時、ジル・ド・レは見た!

 天空に巨大な姿の大天使を!

 


「……大天使ミカエルよ。貴女の忠実なる僕をお救い下さい……聖なる導き与え給え!!……滅せよ! 神失楽砲撃波(パラダイスロスト)!!! 」



 ジャンヌが祈りを捧げると大天使は四枚の白い翼を広げて、翼から無数の光の羽が地上へ放たれ鉄巨人達を襲う!! 鉄巨人に無数の聖なる光の羽が鉄の装甲をも貫き、怨霊達を浄化させ、分子崩壊が発生した。

 羽が突き刺さり、身動きが出来なくなったスパルタクスをウィリアムが脳天から股までを一気に両断した!



「ウィリリリィィィ!! 滅せよ! ローマよ!!……」

 スパルタクスは遂に塵と化した。



 満身創痍のジル・ド・レは、怨嗟の言葉を吐く。

「ジャンヌよ! まだ裏切り者の神の力を行使するのか? 其方の理解者は我だけだ。必ず迎えに来るぞ!! 」

 ジル・ド・レの身体は霞の様に忽然とかき消えた。



「何故? 涙が? 」

 ジャンヌの頬を何故か涙がつたう。




 妖魔軍がすぐそこまで迫っていた。


【聖女悲嘆】をお送りしました。

さらに敵も強力になり、大規模な戦闘が増えてまいります。

では次回も宜しくお願いします!

(映画 ソードアートオンラインを観ながら。)


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